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第9話 借金

遅くなりすみませんでした……

どうぞお楽しみ下さいませ!

「魔王様ー!お姉ちゃんですよぉ!」


ドアを破壊しかけながら入ってきたのはリアだった。

その後に、玉藻も続く。もう少し力を緩めて入って来れないか?と思うがリアの性格を考えると無理だろう。


「よしよし、怖かったですよね〜!

あの、下等生物はお姉ちゃんが全て片付けておきましたから!」


一瞬で抱きしめ、キスしようとしてくるリアをひとまず引き離し一旦話を聞く。


「あの後、私たちはとりあえずトカゲを全滅させまして。

そしたら、ギルドの人たちが何故か私たちを追いかけて来たんですよ。」


「追いかけてきた?」


「はい。何故追いかけられたんでしょうか?」


多分、トカゲを全滅させたからでしょ。


顎に人差し指を当て首をかしげるリアと、その話にはもう興味

かのように欠伸をする玉藻。


「とりあえず、皆集まったみたいだしこれからどうするか…」


「オラァー!!出てこいや!!」


突然外から鼓膜が破れそうになる程の大声が聞こえてきた。

何事かと思い外を除いて見ると……


「てめえら分かってんだろうな?」


「まさかあんな事するなんて……」


「酷いわ!酷すぎる!」


そこには。キレているギルドの人たちがいた。

普通にめちゃくちゃ怖いのだが………


「あの〜何かあったんですか?」


「何があったんですか?だと?ふざけているのか?

お前のとこの連れがトカゲの生息地を散々に破壊し尽くしたんだよ!どうしてくれるんだ!

あそこを元に戻すまで何ヶ月掛かると思ってんだ!」


うん、どう考えてもアイツらのせいだ。

嫌な予感が的中してしまった。


「ち、違うんですよ魔王様!私たちは魔王様の為を思って……」


確かに頭をトカゲにノックバックされた俺にも責任はあるが、本当に全滅させたのか……


「トカゲが全滅してしまっては、ギルド初心者の方がするクエストが少なくなってしまいます……」


だからか…………

生態系を大きく崩してしまったのだろう。


「取り敢えずトカゲを殺った犯人を出せ!

ここに居るってことは分かってんだ!」


地鳴りの如く喚くギルドの人たちを尻目にリアたちに向き合う。


「ここは、謝った方が良いんじゃなか?」


「そんな、幹部である私が魔王様以外の人間共に頭を下げるなんて……!」


「わしもリアと同じ意見じゃ!」


「でも、謝ってくれないと困るんだよ…」


もし、リアたちが謝らなければ関係者の俺は間違いなく街に出禁になるだろう。


「むう、それじゃ仕方ありませんね……魔王様がどうしても!と、仰るなら」


「わしも魔王様の為ならば謝ってやらんでもないぞ」


「そうしてくれると助かる」


こうして、ギルドの人たちに連れられて来たのは何故か

刑務所の檻の中だった。


「え……?なんでこんな事になるんですかね?」


「こっちが聞きたいわ!

なんで謝りに来たら突然牢屋に叩き込まれないといけないんだよ!」


「知りませんよそんなこと!」


「静かに!これから取り調べを始めます!」


突然、金髪ストレートにした背の高いお姉さんが怒鳴ってきた。静かになる俺たちに、お姉さんは静かに淡々と話す。


「取り調べを始めます。一人ずつどうぞ。」


こうして、取り調べが始まった。

正直何が何だか分からないが取り敢えず身の潔白は証明しなければ。


「成宮快斗さんでしたね。この街の方ではないですね。」


はいと答える。


「出身地はどこですか?」


「日本です」


「日本?」


「馬鹿にしないで頂けますか?しかし、魔力の反応が無いと言うことは、この男は嘘をついていないと言うこと……?」


混乱しているお姉さんに聞いてみる。


「日本を知らないんですか?」


「私の記憶にある限りではそのような国はないんですが……まあ、いいでしょう。では、何故この街に来たんですか?」


「服を買いに来たんです」


「服?」


「はい、着ていた服が理不尽なお姉ちゃんを語る悪魔に焼かれてしまったので、服を手に入れる為にトカゲを狩りに行こうと思ったんです」


「それで服は手に入ったんですか?」


「いいえ、なので今はこのローブ1枚です」


「え…?ということは下着とか一切下に着ていないと言うことですか……?」


「そうなりますね」


お姉さんの顔があっという間に赤くなるが俺には関係ない事だろう。多分。


「も、もう貴方の取り調べはこれで終わりです!

服を買って上げますから早く行って下さいぃ!」


何故か服を買って貰うことになったがこれには感謝しよう。

流石にローブ1枚ではいろんな意味で寒い。


その後に、リアたちの取り調べでお姉さんの顔が青くなったり赤くなったりしたがそれ以外特に問題はなく取り調べは終わった。


疲れて死体の様になっているお姉さんに話しかける。


「あの〜帰っていいですか?」


「少しお待ち下さい……」


鞄の中から1枚の紙を取り出した。


「あの〜これは……?」


「今回の件での被害は賠償金という形で終わらせて頂きますのでこれを」


「は……?」


そこには、賠償金1億ミルと書かれていた。

いや、いくらなんでも高すぎじゃね?1億?ん?


混乱する俺をよそにお姉さんが説明する。


「快斗様が最終的に責任者となっておりますので、復興費+使えない間の利益の損失と言うことで」


「ちょっと待て!いきなりこんな額払えないって!」


「大丈夫ですよ。働きながら返して貰いますので。あ、言って置きますが踏み倒しとか出来ませんからね。そ、それでは、服を買いに行きましょうか」


結局、服を手に入れる代償に1億の借金を負ってしまった。




楽しんで頂けたでしょうか?

これからも続きますのでどうぞ宜しくお願いします〜!

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