第八話 トカゲハント
遅くなってすみません!楽しんでくださると幸いです!
飛びトカゲ。
その名の通り天かけるトカゲである。
体長は元の世界に住んでいるイグアナぐらいの大きさで、見た目も色も普通のトカゲなのだが…
「うおっ!?」
…………飛ぶスピードが速すぎる。
「ちょ、まて!?こんなのどうやって倒せって言うんだよ!」
「とりあえずあのトカゲどもの頭にその剣をえい!ってやって倒せば良いだけでございます♡」
説明が適当過ぎる。
そんな俺に構わず、トカゲたちは襲いかかってくる。
次々と襲いかかるトカゲたちをかわしつつ何か弱点が無いかさっきから探しているのだが見つからない。
「何か弱点とか無いのか!?」
「そんなこと言われましても困ります魔王様♡」
困ります魔王様♡じゃないよ!?襲われてんだよ俺!?
普通弱点とかあんだろ!
今更あのイケメンを恨むが、よく考えて選んでいればこんな結果にはならなかっただろう。
「あ…魔王様!右からトカゲが!」
「何っ!?」
急いで右手を見るも何もおらず……
「ゴンッ!!」
鈍い音がすると同時に頭に激痛が走る。
そのまま地面に向かって倒れ顔を思いきり地面にぶつけてしまった。
「あー!魔王様!右って言ったじゃないですか!」
いや、だから右向いたじゃないか…………
激痛の走る頭を抑えつつエアの方を見る。
「私から見て右ですよー!」
そっちかよ!分かるわけねえだろ!
そんなことを言っているエアとは裏腹にリアと玉藻は黙ったままだ。
「ふふっ、魔王様少々お待ち下さい。今お姉ちゃんが下等生物をこの世から抹殺しますから♡」
「うむ、久々に本気だそうかのお?」
二人とも何言ってんの!?
ていうか、玉藻は本気をだす相手を多分間違っていると思う。
「魔王様!早く逃げますよ!二人ともああなったら止められません!前2人が切れた時街が2つほど消滅したんですよ!」
「それってヤバいじゃないか!」
こんな所にいたら確実に消滅するだろう。
て言うか、リアの方に至っては殺されそうになるのは2度目である。
「早く私の手を握って下さい!」
言われるままにエアの手を握る。
「いきますよ!テレポート!」
エアが魔術を叫んだ瞬間目の前が真っ白になった……
「っ……!魔王様!起きて下さい魔王様!」
ここは何処か分からないが、どうやらベッドに寝かされているらしい。どうやらテレポートは成功したようだ。しかも、この状況は……!
「魔王様起きて下さいよ〜!」
泣きそうになりながらエアが起こそうとしてくれる。
そんなに大事に思っていてくれたのか……
「じゃないと、私の魔王様を召喚したという功績が消滅しますし、また召喚するのはとってもめんどくさいんですよー!」
……そこまで大事じゃなかったらしい。
「よし!いい事思いつきました!」
ん?何を思いついたんだ?
何故か嫌な予感が……
「かくなる上は仕方なし。こうなったら我が魔術の生贄になって貰いましょう!」
は?こいつ何を言ってるんだ?
「では早速……」
「おい……」
声をかけた瞬間エアの動きが固まる。
「あ、魔王様!生きてたんですね!」
「当たり前だ!誰がトカゲに頭ノックバックされて死ぬか!トカゲなんかに殺されたら恥ずかしいわ!」
魔王の死因が、クエスト中にトカゲに頭打たれ死亡。とか普通におかしい。
「ですよねー!(笑)」
ハハハと笑っているがその事件の原因はお前なんだがな……
「……ていうか、なんか俺を魔術の実験台にしようとしてなかったか?」
エアの動きがピタッと止まる。
「してませんよ」
「さっき我が魔術の生贄に……!とか言ってたよな?」
「言ってません」
こいつ……!まあ、それは良いとして。
ベッドに腰掛けつつ、質問する。
「ここは何処なんだ?あとリアたちは?」
コップの水をくみながらエアが答える。
「えっとですね。魔王様はトカゲに頭をうたれた衝撃で気絶してしまったので、とりあえず魔王様が立ち寄られたお店のベッドをお借りしています」
「なるほど……」
「あとリアたちは多分トカゲを全滅させるまで帰って来ませんよ」
「まあ、リアならやりかねないな」
そういえばここはあの店なんだよな……
「おい……今更だけどどうやってここ借りたんだ?」
「え?普通に魔王様がトカゲに頭やられて気絶してしまったんでベッド貸して下さい。って言ったら貸してくれましたよ?」
いや、普通に考えておかしいだろ。1回しか店に来ことしかない客にベッドを貸してくれるなんて……
「もしかしたら罠かもしれないな……」
よく、RPGである家に泊めて夜中にざっくりいくやつだ。
「まさか〜笑」
なんでこんなに能天気なんだ。
少しくらい危機感持って欲しい。
「とにかく、外に出てみよう」
その時の出口のドアが開いた。
今回はどうだったでしょうか?まだまだ続くので宜しくお願いします!