さぁ、きみのレジェンドが始まるよ!(最終話です)
※【語り部、霖音から第3者の視点に切り替わります】
もう、ガーネットは目の前には現れなかったが、思い出すとなんだか楽しい気持ちになる。
そんな霖音は、今ゆるやかに回復期にいるよ、と主治医の先生に言われた。
「曲宮さん、なにか聞きたいこととか、ありますか?」
「……うーん。そうですね、よ、妖精って、信じますか?」
「ははっ。うんうん、信じるよ」
「え!?うっそ。……実は、病院にいるときに隔離室ですごい変な夢をみて……覚えてるようであまり覚えてなくて、ただ潜在的に記憶してるのが、」
「うん。……なんだい?」
「『統合失調症は、助けてが言えない末になる病気です!!』ってことで」
「んーー。なかなか深い、意味深長な夢をみたね(笑)」
「意味深長って、意味ありげ、という感じの言葉ですよね?」
「そうだね。……助けてって、そのあと言ったほうが確かによかったみたいだよね。わたしにも言ってくれたよね、あれは偉いと思ったよ」
おーい。
……語り部さーん、シカトしないでー。わたし、幻聴じゃあーりません。
?????
誰だ?!
「あ、サヴァン・ガーネットですー!はろー!」
……なんかしゃべる?(私、万織)
「あーい!」(ガーネット)
「こんにちはー!ガーネットでーす。もう霖音ちゃんの前には現れる必要性、あんまないけど、まだ知識あるのよー!
回復期、ってさっき語り部さん言ってたよね。
統合失調症には、こうこうこういう期間、というものが名前つきで有るものなのです。
まず、なにもない発症前
↓
ん?なんか環境の変化やらなんやら、おかしいぞ??なんだなんだ??という前兆期
↓
一番脳の動きに波がある期間、急性期
↓
別名消耗期、体力気力ともにエネルギーを使い果たす感じ、休息期
↓
徐徐にリカバリーしてきます、回復期
……こーんな感じだよ。
ちなみに、回復期にいる子だけれど、こんな子もいたよ。
幻聴は、本当にいると信じこんでいたあるCさん。
何かあると、すぐ幻聴(だと知らずに)になんでも聞いていました。
意見をつむぐのも幻聴さんと一緒につむぐ。
食べるときも、密かに幻聴さんと会話したり、盛り上がりながら食べる。
寝るときも、夢で会えたらいいね!と幻聴さんといいながら寝る感じ。
でも、色々と勉強したりデイケアのスタッフさんと話していくなかで、気づいたんです。幻聴だったんだね!!って。幻聴に基づく、妄想だったのかー!と。
だから、Cさんはまず症状を自覚するところからはじめてみました。
病識をつける、ということです。
そして、このようなマイルールを立てました。
まえは幻聴に、なにか困ったときが多くよく聞いていた。しかし、もう幻聴には左右されないようにする。右と言われたら自分に戻り自分で考えて答えを導きだそう。そして、幻聴や空想の存在に聞いたり話したりするのではなくて、実在するまわりの人々に聞いたり話したりしよう!
そうすることで、Cさんは薬も減らすことに成功しました!!
そして、こんなことも気付いちゃったんです。
幻聴さん=自分の考え
なので、
幻聴さんたちと考えて会話して導いた答えや意見は、すべて自分=Cさんの意見だったのだ。と、いうこと。
だから、それはすごいことですね。
気づかないままに、一人で意見や考えを、まとめてしまっていた。……
だから、もう、元々あのときも(幻聴と一緒かと思ってたけど)一人だったんだから、大丈夫。
あのときも一人で乗り越えたじゃないか。
そう思って気づいたら、Cさんは自信がつきました。
ガーネットからは、ここまでだよ!
じゃあ、楽しいマイライフを、送ってね!!
ばーい!!♡」
霖音は、その後無事退院した。
三ヶ月かかったが、今ゆるやかに回復している。
再発しないように、家族も協力体勢だ。
さぁ、「助けが必要なんだ」と、伝えるんだ。
これをみたあとだと、言い方も変わるのかもね。
「疲れた、」とか?
自分を、大切に扱おう。だって、ひとは一人として宝物じゃないひとなんて、いないのだから。
あなたは、みんなの宝物。
あなたが存在しているだけで、ありがたいよ。
ありがたいから、素晴らしいから、生きていてほしいと誰かに祈るように願われてるから。
素直に、助けを求めよう。
少しくらい、ダメなところを見せたほうが、人間らしくていい。
だって、“人間”だから!!
end★




