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友愛

部屋の隅で、コトリ、と音がした。


息を殺すようにして、隠れていた少女は姿を現す。


「…エリカ」


かすれた声はどこか悲しげで、それでいて空虚に消える。


シヅキは入り口まで歩いていって、床に倒れ伏したエリカの頬を撫でた。


「…」


泥がこびり付いた顔はかすり傷でまみれている。

その憔悴しきった目じりから、こぼれそうになっていた涙をぬぐう。


シヅキはそのまましばらくじっとエリカを見ていたが、不意に立ち上がった。


「ごめん、やっぱり…私は中川シヅキにはなれないや」


「レイナ、早く」


窓の外の茂みから声がする。


「今行く」


シヅキは振り返らず、窓の向こうへと消えていった。

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