レイナ
な、何度も言うけど忘れてたわけでもサボってたわけでもないのだよ…?
書く時間が取れないので空き時間に書こうと思っている次第でございますのです。
「ねぇ」
言いつけられた片付けを終えて、一人帰る準備をしていると、不意に後ろから声をかけられた。
振り返ろうとすると、それより先に冷たい指が首に絡みついてくる。
「なっ、なに!」
慌てて叫ぶ自分の声は、みじめなほど震えている。
叫んでも誰も来ない。そんなことは分かっていたのに。
「分かっているでしょう?何をされるのか」
背後の声が耳元でささやく。しびれるような感覚に息をのんだ。
「ぃ、いやだ…こわい…」
勝手に涙があふれだす。胃がせりあがるような感覚。
「ごめんなさいごめんなさい…もう、もうあんなこと、しないから…」
背後の女は何も言わず、少しだけ首にかかる指に力が入った。
若林カナエはたまらず泣き叫んだ。
「おねがい、ゆるして!サイトウさん…。ぜんぶ、言われてやったことなの!」
その叫び声が反響して吸い込まれてから、数秒の間があった。
「そんな理由で許されると、本気で思ってるの?」
あざけるような声が返ってくる。
その一瞬後、打って変わって暗い響きを帯びた声がささやいた。
「あなた達さえいなければ…」
「ひっ」
そこで後ろに立っていた小林アリサは、首から手を離した。
「…まあいいわ。あなたが協力してくれればいいだけの話よ」
「いっ…委員長、なんで…?」
慌てふためくカナエの横に、第二の人物が現れた。
「まあ、そうだろうな。誰も委員長がこんなに執念深い女だなんて思わないだろう」
「執念深い?あなたも私に賛同したくせに」
状況が飲み込めず、カナエは痰が絡んだような声を出した。
「中川…さん?なんでここに…」
行方不明になっていたはずの中川シヅキが、委員長の隣に立っている。
シヅキは一瞬、顔を歪めるように笑って、そして否定の言葉を吐き出した。
「いいえ…私は、白石レイナよ」