note
相変わらずのマイペース更新。
ちょっと忙しかった、とか言い訳は忘れない。
「ぇっとね、それでねぇ…」
コヨミは”朝比奈”と書かれた横にすらすらと?マークを五個書く。
「このひとたちは、まだ名前がわかんない」
「その中に私らが入ってるってことよね?」
その問いに、コヨミは満面の笑みで答えた。
「ぴんぽーん!リナちゃん頭いいねぇ!」
「ちゃんづけはやめて」
リナは思わず顔をしかめた。
この能天気な態度に慣れるどころか、どんどん嫌になっていく。
「んーそれで、リナちゃんは何番めなの?」
「だから、ちゃんづけで呼ばないで。私は…」
言いかけたリナの言葉が止まった。
栗原コヨミに、そこまで話してしまっていいのか。
殺される順番を話すこと。それは、過去の自分が何者であったか知られるということでもある。
過去の私。それは…。
「…あんたは、何番目なの」
迷った末、リナははぐらかすことに決めた。
「ぁたし?あたしは、八番め」
八番目に殺されたのは誰だったか。リナは思い出そうとする、が。
忘れようと努めてきたことを、今更思い出せるはずがなかった。
開いたノートの片隅に、どこからか虫が飛んできて、コヨミに叩き潰された虫はそのまま黒い染みになった。