棒人間
説明回?になります?
さらっと新しい事実言ってるけどついてきてくれたら嬉しいな。
「まず斉藤さんがいじめられましたぁ」
コヨミはノートにへたくそな棒人間を書いた。
昼休み。作戦会議と称してリナはコヨミに呼び出されている。
中庭の人口はまばらで、コヨミの声は他の誰にも届かないだろう。
けれど、内容が聞こえたらぎょっとされることは間違いない。
「もうちょっと声、抑えてよ…」
「ぅん?べつにぃいじゃん。かかってくるならこいってかんじ」
「…。じゃあ続けて」
仕方なくリナは続きをうながした。
「ぇっとそれで、いじめったのはこの三人ね?」
ノートに棒人間が三体増える。
左から順に神崎、井原、森田と名前がつけられた。
「んで…斉藤さんがしんで、その後ころされたのがこの八人」
さっき描いたばかりの棒人間にバツ印がつけられる。
棒人間はさらに五体追加されて、それぞれにバツ印がつけられた。
「これが二十四ねん前」
至極真面目に話し始めたコヨミに対して、リナは頭を抱えた。
「超ざっくりじゃん…作戦会議ってこれ、意味あんの?」
「待ってよぅ、こっからがだいじなんだって」
「こっから?」
若干のイラつきを覚えつつリナは腕を組みかえた。
コヨミはペンを置いて、リナの目を見つめる。
「ぁたしらはあの時しんだ。だけど今、この時代へよみがえった…」
「だったらあの時、ぁたしらをころした犯人もよみがえった、って考えるのがふつーじゃない?」