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再会
「キリノ…リコ…」
エリカは二人に手を伸ばしかけて、ためらった。
都合のいい夢を見ている気がした。触れたら泡になって消えてしまう気がした。
キリノはゆっくりと車いすを漕いできて、頼りなく揺れるエリカの手を握った。
「大丈夫、あたしら無事だったから。大丈夫だよ、エリカ」
その後ろでリコが鼻をすすりあげた。
「ごめんね、心配、かけて…」
「本当に、リコのバカ、何勝手に死のうとしてんのよ」
キリノもうっすらと涙を浮かべながら、湿った空気を吹き飛ばすように笑う。
「あんたのせいであたしも死んじゃうところだったじゃない」
「…どうして…二人とも…」
呆然としていたエリカの口から、やっとか細い言葉が出た。
「生きてる…?本当に…?」
エリカは確かめるようにキリノの手を握りしめた。
「生きてるよ、ほら」
リコが近寄ってきて、同じように手を握った。
エリカの目から、涙が一筋、つっとこぼれた。
「よかった、本当に…、無事で、よかった…」
前の話読み返してみたら視点がブレまくりだったが特に反省はしていない。
フィーリング大事。うん。