幻の花
「一昨日はここにいたの?」
「うん…。この辺りで、寝そべってた」
エリカは自分もその場所に腰を下ろしてみた。
日当たりの悪い裏山は湿っているのかと思いきや、意外にも乾いていた。
なるほど、人も来ないし、昼寝にはちょうどいい場所である。
エリカはしばらくそこに寝転んで、目を閉じてみた。
そよ風が髪をなでていく。わずかに香る、花の香り…。
エリカはそこではっと起き上がった。
「痛ぁっ!」
エリカを覗き込んでいたリコと額をぶつけてしまい、二人は思わず悶絶する。
「何やってんの…」
呆れ顔でキリノは呟くが、額をおさえながら立ち上がったエリカの表情を見て真顔になった。
「キリノ、ここら辺に白い花咲いてない?花瓶に飾ってあった花、なんだけど…」
「白い花?」
キリノは辺りを見回した。遅れて立ち上がったリコが、思い出したように呟く。
「そういえば、今日は花瓶の花、なかったね」
そう、今日はエリカの机は平和だった。教室が急きょ仮設教室に変わったからかもしれない。
もしくは…花瓶を置いていた誰かも、さすがにやりすぎた、と思ったのかもしれない。
「ずっと今日みたいに…何もなければいいんだけど…」
「ねぇ、エリカ」
歩き回っていたキリノが戻ってきた。地面を見渡し、ため息をつく。
「白い花なんて、咲いてないよ」
確かに一昨日咲いていたはずのキスツスが、今は一輪も見当たらなかった。
幻…だったのだろうか?
そんな事を思っていると、ずっと一緒にいたはずのシヅキさえ幻になって消えていってしまうようで…。
エリカは我が身を抱きしめた。
そういえば前回書くのを忘れていたぜ。
やっと!二十五話です!
先が長い…とほほ。
何はともあれ、いつも閲覧数を気にしつつ、マイペースに続けさせていただき…
読者様、大 感 謝 でございます。
どうぞこれからも末永く…貴方に" サイトウサンの呪い "をかけさせていただければな、と…デュフフ。
そういえばこれを書いてる途中にマウスがストライキを起こしました。
タッチパッド付きだし?!タッチパネル式だから問題は無いんだけど?!使いにくいなこの野郎!
…という事で更新が遅くなっても唐砂のせいではございません。マウスのせいです。悪しからずご了承くださいませ。