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同士
「ちょっと良いかな、青山さん」
シズカがドアを開けると、そこにはクラスメイトの朝比奈が立っていた。
「うん…。どうしたの、急に」
シズカは朝比奈の一つ前の席だが、朝比奈とはあまり話した事がない。
驚きながらもシズカは朝比奈を部屋へと導いた。
「あれ、野間さんは?」
「他の部屋に行ったけど…」
「そっか。じゃあ、気兼ねなく話ができるね」
「気兼ねなく…?」
朝比奈に飲み物を勧めながら、シズカはいぶかしんで首を傾げる。
「どういう事?朝比奈さん…」
「マキでいいよ」
朝比奈マキは出されたコップの麦茶を一息に飲みほした。
「これから仲良くしていく事になりそうだから」
「え?それってどういう…」
マキはシズカの言葉を遮って、厳しい口調で問いかけた。
「あんたさ、二十四年前の事件について何か知ってるんじゃないの?」
シズカは目を見開いた。