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彼女の呟き





突然連れてこられた、その場所は本当にお姫様がいるようなお部屋。怖い人だと、ずっと思ってた“麗様”が目の前で微笑んだ。わぁー、綺麗な人。


「あら、田中さんどうしましたの?放心していますわよ?」

その言葉に、我に返る私。しまった、おこられちゃう?

「あぅあう、すいません。こんな、私がこんな場違いなとこにいたら……!」

「…まぁ、あなたも一人の淑女でしてよ?美しくあらなければ。身分は関係ありませんわ、殿方に尽くせる方が真の淑女でしてよ?汚いお言葉を綴るより、お綺麗なお言葉をつづる方の方がまだ淑女らしいですの。」

そう、いってほほえむ彼女はまさに女神!


 


「田中さん、お脱ぎになって?シミを落とさなくてはいけませんわよ?」

そういうと、私の着ていたワンピースをひんむいた。

「きゃっ」

ななな、なに?!

「あら、ウエスト私と一緒みたいですわね。」

と、呟きながらあの“麗様”にホールドされる。

わぁ、なななんて反応したらいい?

「こちらのドレス、一目惚れしてしまって2着色違いで買ってしまいましたの。あなたに着てもらいたいわ」

そういうと、ずいっと本当に高級感あふれるドレスを渡された。着てみたけど、これ…胸元ぶかぶか…!

麗様、大きいんですね!って…なんて普通の顔で全裸に!

といっても、下着はきてるけど…。やっぱり胸…はぅ。

「あの、麗様?」

「なにかしら?」

「どうして、着替えているのですか?」

「私も着替えて、あなただけ恥にならないようにでしてよ?ほら、あなたとお揃いのドレス。私が着ていたら誰もダメ出しなんかしませんわ。ですが、私とお揃いということで非難があがるかもしれませんね…その時は、私の夢双子コーデというものをしたかったことを伝えますわ。…憧れでしたのよ?」

と、キラキラした瞳で見られるとなんだか頬に赤みがさしちゃう。綺麗な人だけど、可愛い所もあるんだ。



私と麗様が並んで姿見にうつる。

あぁ、月とすっぽんだ。すらりと長い手足に豊胸と美しいお顔。大きくスリットが入っているそのドレスを着こなし最大限の色気を醸し出している。それに比べ、私。あぅあぅ。

平凡だから、スリットが超似合わないっ!胸元ぶかぶか感がなんとも…いなめません。

でも、麗様とこんな風に並んでいられるなんて…一生の思い出だ。3年間怖い人と思ってた自分、思い直しなさい。すっごく、可愛い人だよ!




「あの、田中さん…芽衣さんとお呼びしてもいいかしら?」

「は、はい!光栄です!」

「良かった、いきましょう?芽衣さん」





その後、パーティー会場に戻った私達は一気に囲まれた。悪口は、言われなくて私を褒めてくれる人が多くいた。素直にうれしかった。麗様の周りのお嬢様たちも麗様と一緒で優しくて可愛らしい人がいっぱいだった。そんな人たちと友達になれて、この学校に入学してよかったと卒業パーティーで思うとは…思いもよらなかった。


「芽衣さん、芽衣さん。この服貰っていただけませんか?衣装部屋に入りきれなくなってしまいましたの」

ウエストが一緒と知った麗様はそれからというもの私に、服やら履き物やらをくれるようになった。

足のサイズも一緒でした。はい。



でも、麗様。

私にはちょっと、胸元ぶかぶかですし…庶民がこんな高級感あふれる服着てたら!それに、私にはにあわないですー!




「芽衣さん、また双子コーデしましょうね?」

でも、麗様可愛らしい人だからそばにいられること嬉しいなって。おさがりを貰えて、特別だなって思う。




でも、いつもおさがりもらうたび…

鋭くて怖い視線を感じるのは…気のせいでは、ないと思う。





その視線は、言わずもがな彼です。


麗の身につけた服をもらいやがって!!といつも、おもっているでしょう。

出来れば、その服ください。とか思ってそう。

わぁ、変態!



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