悪役お嬢様役ですわ。
皆様、ごきげんいかが?
私、花園麗ですわ。
イメージは、ロココ。縦ロールの御髪と整ったお顔。まさに、お嬢様!ですの。
なんで、ご自分で称賛してますの?とお思いでしょう、皆様は。ですが、私…前世の記憶が今更ながら思い出してしまったのですわ。
この世界、と言ってもいいのかしら?
ここは、とある少女まんがの世界でしたの。
青竜院雅人様と、桃山香奈様、愛し合う2人がいろんな障害を乗り越えて、結ばれるお話『愛すのは君だけ』の世界ですの。
そんな、世界での私の役所はといいますと…
おーほっほっ、扇子を振り回し高笑い、縦ロールと中世風な制服がよおーく似合う悪役お嬢様役ですわ。
2人の仲を切り裂かんと試行錯誤するのですが、最後にはお嬢様ですのに惨めな生活を送る羽目になる役ですの。
最後が、少し気にくいませんが前世で中高と演劇部に入っていました腕を見せてあげましょう!
と、思い立った16歳の私。今すぐ、おやめなさいな。
どうして、こうなったのかしら?
惨めな生活は避けたいと、思って勉強とツテはぬかりなかったハズですのよ?でも、いまではなんの意味をなさないんですの。
「麗、どうした?」
「いえ、昔の私を思い出していただけですわ」
「ふーん、俺がいるのに?」
少し、室内の温度下がったのは気のせいではないのでしょう。しくりましたわ。
「いえ、アナタのことも思い出していましたわ」
「ふーん、ならいいや」
そういうと、綺麗なお顔の旦那様は
「雅ー、ママは俺にぞっこんだぞー」
と、まぁ!恥ずかしい。
それは、そこまで!アナタとは、流されたのですわ!
とは、言えませんわ。流されて結婚して、子まで産んで、好きではないわけはありませんものね。
どうして、このような未来になったのかしら?私、今頃はバリバリ働く格好いい女性になっていたハズなのに!
司法試験にも、受かりましたわ。なのに、なのに、
「こんなの、必要ないよね?」
と、旦那様に取り上げられては仕事出来ませんわ!
あぁ、どうして、かしら?
思い出して見ましょうか。
いきり立つ私は、エスカレーター式だと言っても外部生も入学してくるので入学式があります。その、入学式から私の悪役お嬢様役がスタートだと思っていたのはダメでしたの?
「お邪魔よ、見えませんわ」
そう言って、ヒロイン桃山香奈嬢(庶民)にぶつかる。あぁ、悪役とは身体を張りますのね。痛いわ。
って、間違いましたわ!まさか、ねぇ?見知らぬ男性にぶつかるなんてっ!きゃぁ!……よろけてしまいましたわ
「あ、大丈夫?」
「…大丈夫ですわ、それよりも後ろの子たちが見えませんわ。早く、おどきになって?」
クラスわけ見えませんものね!
支えられた身体がさっと誰かに引っ張られた。
「…え」
「なにしてんの、バカ?」
「な、な、な、」
なぜ、ですの?
周りの女の子たちは、騒ぐ騒ぐ。
まって、私アナタのことは存じ上げてますわ?
青竜院様。ですが、なぜアナタは私をバカ呼ばわりするんですの?アナタ、私を知らないハズだわ。大人しくしていたんですもの、私は。
「わあ~お姫様と、王子様みたい~」
ちょ、お待ちになって!桃山香奈嬢!
アナタが、この青竜院様とのお相手ですのよ?
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一応、次で終わりです。