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プロローグ

楽しんでいってください

この物語が少しでも息抜きとなれることを願います



俺がその作家を知ったのは中学3年の夏だった。

身長が高くて体格も悪くなかった為か

いつも意外だと言われるのだが、俺は読書が好きだった。今もだが…。

好みのジャンルは広い方だと思う。

SFだろうが、ファンタジーだろうが、ラブコメディーだろうが大体は苦手なしに読める。

内容さえよければ。

だが俺は読むのが早かった。

大半は1日で読み終わるほどに。

その為、毎日のように下校時に本屋によっては小遣いで新しい本を買っていた。

その日もいつものように通いなれた本屋へ寄った。

俺は本を買うとき、有名な作家や人気の作家の本はあまり買わない。

自分で見つけた無名作家や皆が読んでいなさそうな本がすごく面白かったときに感じる喜びが好きだからだ。

こんなに面白い本を知らないなんて勿体無い、と。

皆に読んで欲しい、と。そう思うのだ。

いつも見る右上の段。大体ここに無名作者が多い。

少しぶ厚めの文庫本だった。

『深海の時間』

表紙は題に似合う海底の画だった。

綺麗なその画に吸い込まれるように開くと

止まらなかった。

いつも買って帰って読む本を時を忘れて夕方、日が沈みかける時まで読んでいた。

少年と海を巡る不思議な物語。

後半になるに連れ、まるで海の底深くに沈んだかのようにその本から目が離せなくなる。

読み終わり、本を買って家でまた読んだ。

どうしてこの作家は人気が出ないのか

不思議でしょうがなかった。

その時だ。俺には一つの夢ができた。

編集者になるんだ。

そして作家達の秘めたる力を発揮できるよう、皆に知って貰えるよう、サポートしたい。

この深海の時間の著者である、『井上栄瀏』のような作家を…


そう思ったのが中学3年の夏。

あれから約10年弱。

俺は念願の夢を叶えた。

そして今に至る。

俺が今いるのは担当作家の家の前だ。

今日ははじめての顔合わせ。

俺は人生で一番の緊張感を味わっていた。

初めて担当を持たせていただいたためでもあるのだが、それ以上の理由がある。

なぜなら彼はーーーーーーー






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