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30話 ダンジョン探索

ダンジョンには様々な形式があり、天然の洞窟がもとになったものから、廃坑、遺跡、はてはダンジョンメーカーと呼ばれるたぐいの魔物の住処などがある。

今回潜るのは廃坑がもとになり魔物が住み着いたタイプだ。

このダンジョンには魔石や鉱石におびき寄せられて迷宮蟻(ダンジョンアント)というダンジョンメーカーが住み着いている。

迷宮蟻などのダンジョンメーカーの習性として、ダンジョン内で見つけた死体を集めて食べるため死臭が充満しない、光り物を集めるためダンジョン内には定期的に宝物が発見される、ダンジョンを掘り広げるため新しい鉱脈にあたる、など冒険者にとってはかなり有益な魔物である。 そのためダンジョンではダンジョンメーカーを保護することが冒険者には義務づけられている。





「さて、いよいよダンジョンにはいるわけだが、準備はいいか?」


「いいよ兄貴!!」


「やってみせるよ、ジャン兄」


「頑張りましょう」


今回はフェブとユリは工房で魔導具作りの佳境にはいったらしく留守番することになった。

「さて、フォーメーションはマイト前衛、ジュネが最後尾でそれぞれ索敵。間に俺とアプリ、今回俺は遊撃で援護に専念するからお前らの力でできるだけ対処してくれ。

最初は浅めのあたりで適当に魔物を狩って経験を積むぞ」


「了解」


マイトは篭手を確かめながら先頭きってダンジョンに入っていく。


「アプリは回復、防御優先でマイト達が無理しないようにきをつかってくれ」


「わかった・・・師匠さん過保護だね」


アプリはニヤニヤしながらダンジョンに入っていく。


続けて入っていきながら最後尾のジュネに声をかける。


「落ち着けばジュネなら問題なく対処できるだろう。仲間を信用してしっかり自分の仕事をしなさい。期待しているぞ」



「うん!!私頑張るよ!!」


俺たちの初めてのダンジョン探索が始まった。




ダンジョンに入ってしばらく歩くとマイトが反応した。


獣人の並外れた五感を駆使して索敵に関しては俺よりもマイト達双子の方がうまい。


「兄貴、前から飛んでくるのが3、地面を這ってくるのが5、沢山来るね・・・」


「とりあえず相手が確認できる距離まで待て。ジュネは矢をつがえて後ろから挟み撃ちがこないか警戒、アプリは遠距離攻撃警戒で防壁の準備だけしておいて」


それぞれに指示をだし、俺も剣を抜くと気配を探る。


羽ばたきが聞こえたかと思うと天井ギリギリにコウモリ型の魔物、キラーバット(麻痺毒を持つ血吸いコウモリ)が3匹と巨大ムカデが5匹正面から迫ってきた。


「とりあえずジュネはコウモリ頼む。マイトムカデやれるか?コウモリの気も引けると百点だ」


「わかったよ。ジュネ援護頼むぞ~」


マイトが勢いをつけて飛び出し、ムカデに八艘跳びの要領でムカデの頭を蹴る。


「マイト!!突っ込みすぎるな!!援護を待て!!」


俺はマイトに聞こえるように大声で呼びかけつつ、こちらに向かってくるムカデを切り捨て、後衛2人を守る。


その間にジュネはコウモリをすべて撃ち落とし、マイトも残りのムカデを倒した。


「まずはよくやった。2人とも自分たちの良さをしっかり出し初めての集団戦も冷静にこなせていた。

反省点をあげるならマイト!!後衛を置いて突っ込むな!!お前は仲間を守る力が欲しかったんだろ!!お前が離れすぎると後衛に直接攻撃が向かうんだぞ!!」


「う、うん。ごめんなさい兄貴・・・」


「次からは気をつければいい。さぁどんどん行こうか、お前には期待しているんだ。

いいところ見せてくれよ」


マイトの背中を叩きつつ先を促す。


最近強くなったから若干慢心しているかな・・・何もないといいが・・・




心配にかかわらず、その先は特に問題なく探索を続け、ある程度進んだら周辺探索のみで余り深く潜らず、ダンジョンを出た。


マイトは一度叱られて懲りたらしく、しっかりと陽動をこなし後衛との連携をこなした。



この調子で明日からも頑張ろうと誓い、ダンジョン探索初日は終了した。

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