【前編】神さま、目を覚ます
こちら不定期更新です。
次回いつか分かりませんが、よろしくお願いします m(_ _)m
◇
「「「『イ゛ヤ゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛~゛ッ゛!! 』」」」
「~~っは !!? 」
遠くから響く、少年少女らの掛け声で目が覚めた。
どこかで剣の練習をしているようだ。
というか、ここはどこだろう?
ほのかに酒のような匂いが漂う、知らない部屋だ。
かなり清潔そう、かつ見覚えのない天井と布に囲まれた寝台の上で、私は横になっている。
……いつの間に?
それと祠は ?? あのお屋敷は ???
いや、文句ばかり言っててもしょうがないな。ちょっとそこらを見て回ろう。
よっと……
◇
寝台を囲む、淡い水色の布に触れてみる。上からシャッ! と音がした。
……この布、動くぞ !?
手当たり次第、布を手繰り寄せてみる。
やがて布の端っこが動き、その向こうの白い壁が、姿を現した。
壁と天井は、同じ素材に見える。何かは分からないけど、あのお屋敷にはなかった。それだけは分かる。
そしてその壁に、何やら彩り豊かな紙が張ってある。
何かの広告……にしては、随分ツヤツヤした紙だ。表題は、
『 ス ー ュ ニ 健 保 ○ 小 』
……いや違うな? 左書きだ、これ。
つまり、
『小学○健ニュース』
……嘘でしょ !?
ここ小學校なの !!?
◇
とりあえず、寝台から降りて、張り紙に近寄る。
水色の布は元通りに閉めて、まずは周りを見てみた。
窓から茜色の光が差す、部屋の中だ。
壁と天井は白。窓枠は銀色。部屋の片隅にドンと置かれた机は灰色、長椅子は黒……
見慣れない色ばかりで、なんだか目が疲れてきた。
本当に小学校なのか? ここ……
……分からない。
私がお坊っちゃまから聞いた、「木造の小學校」とは、何もかもが違い過ぎる。
◇
……これ以上はキリがない。張り紙の話に戻ろう。
とりあえず、ここは日本の小学校で、今夕方なのは分かった。
じゃあ次に知りたいのは、
「ここはどこか?」
と、
「今は大正何十何年の何月何日か?」
この2点だ。
そして、この壁の張り紙は、昔の瓦版のような物らしい。
ならばどこかに、日付が書いてあるはず……
あった! 紙面の右上に、小さく
「令和7年(2025)4月○日」
……知らん………何それ…………怖い……………
いや待って、「令和」……?
何ですかこれは ?? 本当に日本の元号なんですか ???
というかこれ、そもそも何て読むんです? 「令和」?? 「令和」???
……まさか、漢文を書き下すように「和セ令ム」と読む、なんてことはないでしょうね…… !?
……いや待てよ? 「2025」年か。
で、私が眠りに就いたのが「皇紀258○年」。
500年前の日本に「令和」なんて元号はなかったはずだから……西暦かな?
だとしたら、西暦に660を足して……
100 年 後 の 未 来 ???
さすがに変わりすぎでしょ……
◇
随分静かだと思ったら、近くに誰もいないらしい。
で、出入口は……そこか。
じゃあ地図と、学校名が分かるものを探しに行こう。
お読みいただき、ありがとうございます m(_ _)m
あらすじでネタバレしすぎですかね?
……ま、いっかぁ~!