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バーチャル戦争〜virtual war〜  作者: 未来郎
[第一章]『革命の芽』
7/49

第7話:「対抗戦 I」

〜前回のあらすじ〜

『属性』無しの判定を受けた主人公は迷走する。

訓練所で、ギガとビリーに出会い"魔法"を体感した。


2人のアドバイスと協力により、結論へと辿り着く。

自分の出す『技』を"想像"して"創造"するのだ。


これを応用すれば、『全能力』を使えるかも…!?



ー次の日ー


目が覚めた。身体は何処も痛くない。

寧ろ軽すぎるくらいだ!


今なら、何でも出来る。そんな気さえする。


俺はベッドから跳ね起きて、訓練所へと向かった。







ー訓練所ー


今日が、レイの言ってた"課題のクリア目安日"だ。

俺はもう《火球》が使えるし、他の事を試そうかな。


昨日はイメージしてから、しっかり寝たし

コンディション抜群だ!!




ビリー

「やぁ、おはよう。機嫌が良いね」




俺が1人でウキウキとしていると

ビリーが話しかけてきた。


ギガも横にいるけど、いつもより元気がない?




「おう!おはよう!2人とも!」



ギガ

「おう、新人。」



「ん?ギガ、どうかしたのか?

いつもより元気無いように見えるけど…?」



ギガ

「あぁ、昨日の『個』持ちの新人な。

あいつは…なんか期待外れだった!


折角鍛えてやろうと思ったのに…

もっと出来る奴だと思ってた!」



ビリー

「やめろって言ってるだろ?


ごめんね、お友達の事悪く言って…」



「いや…俺は大丈夫だけど…」




サンって…『武』はレイにも

引けを取らないくらいだったよな?


ギガがめちゃくちゃ強いのか?




サン

「お、おはようございます!

ギガさん、今日も稽古、お願いしていいですか?」




サンが来た。

弱々しい声で、ギガに教えを乞う。




ギガ

「大丈夫なのか?」



サン

「は、はい!頑張ります…!」



ギガ

「よーし、今日は手加減無しで行くぞ!来い!」




…ちょっと気になる。

俺は自分の訓練をそっちのけで

サンの稽古を見ていた。




サン

「『武』《瞬足》」



ギガ

「遅いっ!そんなんじゃハエが止まるぞ!」




いや、遅すぎないか!?


確かに『技』は使っている…

けど、才能の欠片も感じられない。


どうしたんだ?調子が悪いのかな?


暫く稽古は続いた。

しかし、一方的にサンがやられているだけ…


それでも食い下がる努力は買うが…




ギガ

「だー!やめだやめだ!

基本が全然なっちゃいない!

もっと『技』を磨いてから出直せ!!」




ギガはそう吐き捨てて、こっちへ向かってきた。




ギガ

「ビリー!いくぞ!

俺は不完全燃焼だ!!」



ビリー

「あ!ま、待ってくれよ!」




ビリーはギガに引き摺られて組手に向かった。


サンは起き上がり、服に付いた土を払っている。


…サンが心配だ。話しかけよう。




「なぁ、大丈夫か?」



サン

「あ、ヨンくん…

情けないとこ見られちゃったね…」




やられてしまったせいか、元気がない。

いつものサンじゃなくて、ちょっと俺も落ち込んだ。




「サン、今日は調子が悪いのか?

酷い動きだったぞ?」



サン

「うん…昨日から調子が悪くてさ…


身体は何処も悪く無いんだけど

全然力が出ないんだ。」




精神的に疲れてるのかな?

ずっと頑張ってたし、何だか心配だ。




「今日の所は 休んだらどうだ?」



サン

「で、でも!今日が課題練習の最終日だから…」



「大丈夫だって!調子を整えるのも訓練だぜ!

さ!早く部屋に戻って寝ろ!!」



サン

「ヨンくん…うん!ありがと!

今日はちょっと休むよ。」




俺はサンに手を振り"移動盤"まで見送った。


…明日には調子を戻していると良いけど……



…さ!他人の心配はここまでだ!

今日は、昨日思い浮かべた事を実践するぞー!











ー数時間後ー


…よし、結構イメージ出来てきたな。


夢中になってて気が付かなかったけど

訓練所は日が落ちてきて、少しずつ暗くなっている。

周りの人も来た時と比べ、半分以上居なくなってた。




レイ

「新人!集合だ!」




移動盤付近から、レイの声がした。


イチ、ニは慌てて丸太を片付けている。


俺もレイの所へ向かおうとした時

周りがざわついているのが聞こえた。




???

「お、おい、レイさんだ…!」



???

「新人育成してるって

本当だったのか…!」



???

「なんでレイさんなんだ?

"幹部クラス"ならいっぱい居るのに…」



???

「知らねぇよ

"キング"にも考えがあるんじゃねえか?」




ワイワイと周りは騒いでいる。

それを気にも止めずに、レイは話し出した。




レイ

「あれ?サンは居ないのか?


…ま、あいつなら大丈夫か。」




こいつ、本当に適当だな…


今日のサンの調子の悪さを見たら

そんな事言えないだろうな。




レイ

「約束通り、今日が課題練習の最終日だ。

明日から、次のステップに移る。


明日、ここを貸切にする。

『招集』をかけるからまたここに来るように。


んじゃ解散。ゆっくり休んどけ。」




招集…?また何かありそうだな。

まぁ、その時になったら分かるか…



俺は部屋に行き、電気を消して眠りについた。








ー次の日ー


ビー!ビー!


鳴り響く警報音起こされた。


な、何が起きたんだ!!?


どこからか、女の声が機械音で聞こえてきた。



ーアナウンスー

「招集。招集。至急 訓練所まで。

招集。招集。至急 訓練所まで。」



そう言うと警報音は止んだ。


"招集"ってこんなに雑にやるのか…


急に無理やり起こされて

ちょっとイライラしながら、訓練所に向かった。










ー訓練所ー


レイ

「おい、遅せぇよ。てめぇで最後だぞ。」



「え?あぁ、わりぃ。」




警報が止んで、直ぐに行ったつもりだったのに

3人とも もう集まっていた。


俺は急いで扇の形の中に入った。




レイ

「よし、全員揃ったな。

今日は次のステップって言ったな?


全員能力を使える段階に来たから

今日は対抗戦を行う。


実戦でしか得れない事もあるから

しっかりやれよー」




急すぎるな。

対抗戦…って事は2対2かな?


ビリーと組手やったお陰で

経験値は俺の方が上だ。勝てる!




レイ

「んじゃ、メンバー分けだ。

テキトーに組むぞ〜


イチとサン、ニとヨンで組め。」




え?ニが相方?


無難にイチとニ…

サンとヨンじゃないのか?


まぁ、サンは優秀だけど

昨日調子を崩してたからなぁ…倒せるかな…?




「よ、よろしく」




ニはモジモジして

俺に挨拶してきた。


正直…不安しかない。




レイ

「よし、早速始めるぞ〜


誰かが1人でも戦闘不能になったら

その時点で終了な。んじゃ、開始。」




本当に始まったのか怪しいくらい

気の抜けた掛け声で スタートしてしまった。


…対抗戦…急に始まったが

勝負事なら負けたくない。


イチは『風』でサポート。

恐らく主軸となってこちらを襲ってくるのは

サンの方だろう。


昨日からあいつが、どれだけ調子を

取り戻してるかが肝だな。




サン

「ヨンくん!昨日はありがとね!

お陰で、昨日より調子が良いよ!

『武』《瞬足》 《正拳》」




サンがこちらに向かってきて

拳を振りかざしてきた。


速い…けど、狙ってきたのが俺で良かった。


初弾は辛うじて避ける事が出来た。


どうやら今日も"本調子"では無いらしい。


だったら勝機はある。




「今度はこっちの番だ!

『火』《火球》」




ーボォッ!!ー




俺は天才だ。もう《火球》をマスターした。


…サンは火の玉を避けた。



いや、避けられるのはわかってる。狙いはイチだ。


レイは『適当に決めた』と言ってたが

俺とサンを別れさせて、バランスを取ったのだろう。


イチがどれだけ出来るか知らないけど

サン程出来る奴だとは思えない。


付け入るならそこだ!




イチ

「『風』 《霧払い》」




イチが起こした風によって

俺の火の玉は、分散して消えてしまった。


なんだよあいつ…!

ちゃんと練習してんな…


いいねぇ、それくらいしてくれないと面白くない。




イチ

「今度はこっちから行こう。サン。 《追い風》」



サン

「行っくぞー!《剛体》」




追い風に乗って、超速の体当たりか。


即興で組んだとは思えない程の連携だ。




「ど、どうしよう…ヨン」




そう言いながら、ニはこっちに近付いてきた。




「お、おい!バカ!離れろ!!」




このままだとニとサンがぶつかる…!危ない!!




ードゴーン!!ー




俺はサンと正面衝突した。


視界が暗くなってサンの喜んだ顔と

ニの悲しそうな表情が目に飛び込んできた。


…くそ…っ…こいつを 庇ってなければ………


〜あとがき〜

ここまでのご愛読ありがとうございました!


私の悪い癖で、良い表現が思いつけば

それを大事に保管し、後の方に出す。

…というのをしてしまいがちです。


先の自分を信じて、どんどん使えば良いのですが

これが中々難しいです( ̄▽ ̄;)


しかし、まずは話を書き切る事が重要ですね。

展開や結末の構成は完成していますが

まだ文字に起こして1年、此処に投稿して1ヶ月です。


ここから『夢』へ向かって眠りにつきます。



見聞を広める事は確かに重要ですが。


この作品の構成は、私が中学生の時に

思い描いていたものです。


高校をへて、今の私に至るまで

1日たりとも、この作品への想いを

欠いた日はありません。


この作品だけは、頭の中の世界だけでいい。

その他一切の情報は必要ありません。


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