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バーチャル戦争〜virtual war〜  作者: 未来郎
[第一章]『革命の芽』
6/49

第6話:「想像&創造」

〜前回のあらすじ〜

訓練所にて、レイが全体に向け 手本を見せる。

『風』『鋼』『武』『火』の4つ。

それぞれの適正にあった者達で練習に励む。


…しかし、主人公はどうしてもコツを掴めずにいた。

必死になって考えていると、1つの策略を思い付く。


果たして…作戦は功を成すのだろうか……

ー次の日ー


目が覚めた。

身体の痛みが少し残っている。


とりあえず、手に巻いてある

包帯を全部取ってみた。


傷口はひとつもない。


…そういえば、なんで傷だらけだったんだ?

…本当に記憶が無いな。



俺は全身の包帯を取って

"移動盤"へと向かった。



『昨日の訓練所へ』そう願った。









ー訓練所ー


着いた瞬間、ガヤガヤと

人の声が沢山聞こえてきた。



おいおい、いくら共同で使う

って言ったって、こんなに居るのか?


15人くらいいるぞ。



イチ、ニ、サンの姿はどこにも無い。


…とりあえず、丸太を取り出しに行こう。




???

「おう!新人か?頑張れよ!!」



「え?あぁ、ありがとう」



???

「うわー懐かしいな、丸太!

僕もよくやったよ」



???

「がははは!お前は今でも

丸太へし折れねぇだろ!

がはははははは!!」



???

「失礼だな…。僕の専門は『雷』だ。

別に折れなくていいんだよ」




な、なんて豪快な男だ、こいつ。


おっさん程でかくは無いけど

この訓練所の中では、郡を抜いて大きいだろう。


そしてもう1人。このヒョロっとした男。

なんか、俺でも勝てそうだ。




ビリー

「あぁ、申し遅れたね。

僕はビリー、よろしくね。」



ギガ

「俺様はギガだ!

仲良くやろうな!新人!!」




ギガと名乗る男は、豪快に笑いながら

俺の背中をバンバンと叩いてきた。


くそ…っ! 俺が全身に

怪我してた事も知らずに…!



…あ!そうだ。

話の流れで教えてもらおう。


この2人が《火球》を使えるかは疑問だが

能力を使う感覚だけでも教えてもらいたい。




「なぁ、あんたら。

俺、『技』が上手く出せないんだ。

なんか出せるコツとかないか?」



ビリー

「んー、僕はそんな苦労した事無いからなぁ。

ギガはどうだい?」



ギガ

「がははは!俺も無い!

だが、気合いでどうとでもなる!」




このでかい方、話が通用しない…

聞くならこのヒョロい方か。




「なぁ、頼む。どんな感覚で

出してるかだけ教えてくれ。」



ビリー

「んー、本当に意識してないんだよね。


君は息をするのに意識しないだろう?」




…なるほど。

皆にとって魔法というのは"特別"じゃない。

"日常"の1つなんだ。


けど、それが分かったとして

現状は何も変わらない。




ギガ

「とにかくイメージだ!イメージしろ!


自分がどうやって相手を

倒すかの"想像"を怠るな!!」



ビリー

「うん、そうだね。

1番近い感覚は、魔法だったら

見えない手で相手を殴るイメージかな。


君の"適正"は?」




このデカブツ、思ったより

良い事を教えてくれる。


…俺の"適正"か。色が出ませんでした。

なんて言ったら、後々説明するのが面倒だ。


一先ず、『火』とでも伝えておこうか




「適性は『火』だ。

今は《火球》を覚えたいんだけど…」



ビリー

「《火球》か…

『火』は僕の管轄外だから、教えれないなぁ。」



ギガ

「俺も『武』だからな!


しかし、"魔法"なら『技』が違っても

教えてやれるんじゃないか?」



ビリー

「んー、どうしたものか…」




2人は真摯に、俺と向き合ってくれている。


…けど、このままだと

解決策が出てこない…。




「もういい、直接俺に魔法を使ってくれ。

その時に意識してる事を伝えてくれたらいい!」



ビリー

「え!? いやいや、危ないよ!」



「あぁ、大丈夫だ!

もう《火球》は1回食らったことある!」



ビリー

「どうゆうこと!? 君…新人だよね??


バーチャル世界?いや、けど…」




バーチャル…?ってなんだ?


それからビリーはずっとブツブツ言ってる。


そうしているとギガが

ビリーの背中を叩いて笑った。



ギガ

「がははは!

いいじゃねぇか!細かい事は!


男がやるって言ってんだ!

答えてやるのが男だぜ!!


よく言ったぞ!新人!」




「あぁ、話が分かるやつで助かったぜ。」




ビリー

「んー、そこまで言うなら…


さっきも言ったけど

『見えない手で相手を殴るイメージ』だ。


じゃあ、実践するよ。

ちょっと ビリってするからね。」




『雷』《ボルトショック》




ビリーは俺の肩に手を置きながら

『技』を繰り出した。


よく見ろ。見えない手を。



…その瞬間、俺の肩に衝撃が走った。


それが身体中に駆け巡り、全身の自由を奪う。



なるほどな…見えない手か…



何かを掴みかけたその時…



俺は意識を保てないと悟った。






ー次の日ー


目が覚めると、白い天井が見えた。


…この光景、見た事がある……




ユウカ

「おはよ。

身体は大丈夫?」



「え? あ、うん。大丈夫…です。」



ユウカ

「そう!良かった!」




ユウカさんはニッコリと微笑んだ。



どうやら、ここは病室みたいだ。

…昨日、ビリーの電撃喰らって

そのままぶっ倒れたのか…?




ユウカ

「聞いたよー?

訓練所で無茶したんだってね?」




「いや、別に無茶じゃ…」




俺の話を遮って、ユウカが俺の頬に両手を当てる。


顔が熱い。赤くなっているのを感じる。

何だか恥ずかしくて、目を背けたい気分だ。




ユウカ

「無理には止めないけど

あんまりここに来ちゃダメだよ?」




「お、おう…」








ー訓練所ー


相も変わらず、人で賑わっている。

取り敢えず辺りを見渡していると

後ろからビリーに声を掛けられた。




ビリー

「あっ!新人くん!

昨日はごめんね! 大丈夫だった!?」




俺を見るなり、昨日の事を謝ってきた。

少し大袈裟過ぎる気もするけど…




「お、おう。大丈夫だ。


…ってか、俺がやってくれって言ったし

気にしないでくれよ。」



ギガ

「がははは!

殺っちまったのかと思ったぜ!!」



ビリー

「やめてよ…冗談じゃ済まないよ。」



ギガ

「がはははは!!ところで、新人!

今日のところは休めよ!」



「え?いや、折角コツ掴んだから…」



ギガ

「ダメだ!

怪我はちゃんと治せ!」



「いや、俺どこも怪我なんて…」



ビリー

「あれ?君を運んだ時、ユウカさんに聞いたけど

全身が火傷でボロボロになってたって聞いたよ?」




…それ、ビリーにやられたやつか

レイにやられたやつか分からん…。




「大丈夫だって

もう何処も痛くないし。


それより、この感覚が忘れないうちに実践したい!」



ビリー

「でも、今日はギガと約束があるしなぁ…」



ギガ

「本人がいいなら、俺は構わんぞ!

五体満足なら、向上あるのみだ!」



「よしっ!ありがと!」



ビリー

「お、おい…ギガ…」



「ビリー、ホントに俺に悪いと思ってるなら

組手の相手してくれ。頼む。」




この手のタイプは

何か条件を出した方が言う事を聞く。


ビリーは暫く考えた後、こう答えた。




ビリー

「…よしわかった

ちょっとでもフラついてたら

直ぐに中止するからね!」



「あ、ありがとう!」




早速稽古に取り掛かった。

丸太なんかじゃない。生身の相手だ。


ビリーは『いつでも来い。』と言わんばかりに

細い体をどっしりとさせて構えた。



…俺は目を閉じた。


イメージは、見えない手。


見えない手で相手を殴る事。



けど、1度気絶して初めてわかった。


俺が出すのは『火』だ。


イメージや、空想なんかじゃない。

実際の、本物の火。


魔法の手で相手を殴るんじゃない。


雷で相手を痺れさせるんだ。


…本物の『火』で、相手を燃やすんだ。



"想像"して"創造"しろ!

掌から、俺の『火』を!!




『火』《火球》




目を開けて手をビリーの方に向けた。

小さな火がビリーの方に向かう。


で、でた!けどこんなんじゃダメだ…

もっと大きく!相手を飲み込むくらいに…!


俺がそう願うと、だんだん火の玉は大きくなり

遂に、レイが俺に使った時と

同じくらいの火の玉になっていた。



これが《火球》…!




ビリー

「おぉ!これは…!

「雷」《電撃砲》!」



ビリーは俺の火の玉に対抗するべく

電気の玉を出した。


大きさは同じくらい。


それが衝突して、大量の煙が発生した。


周りは『なんだ!?』と騒ぎ

当のビリーは、煙の中で咳込んでいた。


煙が晴れるとビリーは

こっちに向かって歩いてきて、拍手をしていた。




ビリー

「いやぁ、参った。

新人の出す火力じゃないなぁ こりゃ」




そう言って苦笑いしていた。


とうとう出せた…!火の玉!

まだ感覚がはっきりしている。


なるほど…"想像"と"創造"か!!


…もしかしたらこれを応用したら

どんな技でも使えるかも…?




ビリー

「しかし凄い火力だ。

本当に出せなかったのかい?」




冗談っぽくビリーは笑っていた。

俺はも一緒になって笑った。




ギガ

「がはははっ!

良かったなぁ!新人!!」




ギガも俺の背中を叩き、祝福してくれている。




「あぁ!ありがとう!2人とも!!」



サン

「ヨンくん!おめでとう!凄いよ!」




どうやら、サンも訓練所に居たみたいだ。

まるで自分の事のように喜んでくれている。




「おう!ありがと!!

とりあえず課題はクリアだ!」




2人で手を取り合って喜んでいた。




ビリー

「初めまして、君も新人かい?」



サン

「は、はい!そうです!」




サンはガチガチに緊張している。




ギガ

「がははは!仲良くやろうな!

ところで、お前の『属性』は?」



サン

「えっと…一応『個』と『武』です」



一同

「「「え!?」」」



サン

「えっ!? ぼ、僕…何か変な事言いました…?」




訓練所に居た、ほぼ全員が驚嘆していた。


そういえば、『個』は珍しいってレイが言ってたな。




ビリー

「ほ、ほんとかい!?凄いじゃないか!」



ギガ

「期待の新人3号だな!


それに『武』か!

よし!俺が稽古をつけてやろう!!」



サン

「え! あ、ありがとうございます!」




ギガはヒロを連れて、稽古に取り掛かった。



…いや"期待の新人3号"ってどうゆう意味だ?




ビリー

「いやぁ、驚いたなぁ。

また『個』持ちが来たのか。


こりゃ、僕も頑張らないとなぁ…」



「なぁ、ビリー。

新人って、俺ら以外に何人いるの?」



ビリー

「え? 僕も詳しく知らないけど

今の新人は4人って聞いてるね。君達の事だろ?」



「うん、多分そうだと思う…」



ビリー

「その前の"新人"から

兵士試験の合格者が2人出てね。


2人とも『個』持ちだったんだよ。

それも、1週間前の話だ。」



「なるほど…」




さっきギガが言ってた3号って、そうゆうことか。


ヒロを含めて、ここ数週間で『個』持ちが3人?


なんで俺は適正ナシだったんだよっ!

俺もそこに並びたかったなぁー!


…まぁ、嘆いても仕方ないか……


『個』よりも、『全属性』の方がカッコ良いもんな!

よしっ!そうと決まれば、《火球》以外も練習だな!




「今日はありがとな!ビリー!!

また何かあったら宜しくな!」



ビリー

「うん、頑張って試験受かってね!」



「おう!任せてくれ!


ギガにも宜しく伝えといてくれよな〜!」



俺は手を振り、ビリーと別れた。


一足先に自室に戻って、イメトレだ!

そんで、明日は丸1日実践かな。


楽しみになってきた!

目標は『全属性』だ!頑張るぞー!!



〜あとがき〜

ここまでのご愛読、ありがとうございました!


X 等での宣伝活動について。

相互で評価をし合う事に

何の意味があるのでしょうか。


当然、自身の作品に自信があるのは

本当に良い事です。


それに、作品を書くにあたり

やはり評価されなければ、創作意欲が湧かないのも事実


…しかし、宣伝無しに評価を集めるのは

私も現時点で感じているように、至難だと思います。


その『評価』を欲するのを"飢え"として例えるなら

人間は『強欲』で『嫉妬』深く『暴食』な生き物ですね



しかし、『相手がしてくれるから』

という気持ちで評価されるのは

『自分の作品に対しての愚弄』だと考えてしまいます。


当然、私が少数派とも認識しています。



…ですが、私は夢を見ています。

数ある作品から『奇跡の巡り合わせ』



それで評価されれば、私はどんなに幸せか。

これは、私の妄言で、単なる綺麗事です。


しかし、この綺麗事が許されない程

まだ世界は腐っていないと信じています。


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