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バーチャル戦争〜virtual war〜  作者: 未来郎
[第一章]『革命の芽』
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第5話:「特訓開始!!」

〜前回のあらすじ〜

『水晶に触れると自身の属性が分かる。』

如何にも胡散臭い話だが、興味を持たずには居られなかった。 皆が水晶に触れ、次々と『属性』が明らかとなる。


ようやく俺の番だ。深呼吸をして水晶に触れる。

…出た結果は、『無色透明』 つまり、適正無しだ。


…くよくよしたって仕方ない。

何とか試行錯誤して、自分の出来る事をすれば良い。


『技』と『属性』の話が終わり、遂に実践だ。

俺達はレイに連れられ、"訓練所"と呼ばれる

広い中庭へと足を踏み入れた。


ー訓練所ー


レイ

「さて、実際に"訓練所"と言っても

『何も無い外』という印象だろう。


…あの端っこに、倉庫が見えるか?」



そう言ってレイが指さした所に

小さな倉庫があった。


『とりあえずそこまで行こう』と

皆を連れて、倉庫の前まで来た。



レイ

「見ての通り、普通の"倉庫"だ。

これもさっきの移動盤と同様。

念じると、欲しい物が出てくる。


そうだな…例えばこれだな。」



そう言うと、レイは

大きな丸太を倉庫から出した。


倉庫の中は真っ暗で

手探りでそれを取ってきた様だった。



レイ

「こんな感じで

欲しいもんを取り出して

『技』の練習をしろ。


最初は丸太でいいんじゃねぇかな。

各自別れて待っとけ。

1人ずつ課題の技を教えてやる。」



1人ずつ教えていくのか。

『属性』が無い俺は、一体どうしたら…



レイ

「あ、待てお前ら!」



各自、丸太を取り出している最中だった。

レイに呼び止められ

そそくさと先程の位置に戻った。



レイ

「急にすまんな。

特別に俺が手本を見せてやる。


各位の『技』を使うから

しっかり見て盗めよ。


丸太を3つ並べろ。」



言われた通り、みんなが

持っている丸太を置いた。


急にどうしたんだろうか?

初めからみんなの前でやればいいのに。


…まぁ、他の『技』も気になってたから

俺的には都合が良い。



レイ

「…よし、まずは『風』だな。」



レイがそう言うと

周りの空気が変わった…?


突如、突風が吹き

レイの髪や服を揺らしている。


手を丸太の前にかざして…



レイ

「《かまいたち》」



ースパッ!!ー



まるで、大きな鉈で切ったみたいに

丸太が真っ二つになった。



レイ

「まぁ、こんな感じな。


イチは最初だから、丸太に

切り込みが入ったら 課題クリアだ。


んじゃ行ってこい。」



イチは丸太を倉庫から取り出して

早速 稽古をしていた。


レイを真似て、『風』を出す構えをすると

突風に煽られ、派手に転んでいた。


遠目から見ていた俺は

思わず吹き出してしまった。



レイ

「次、『鋼』だ。」



丸太の前に行き、構えを取った。

足払いで丸太を浮かして…



レイ

「『鋼』 《鉄拳》」



ードォォン!!ー



丸太が吹き飛び、中庭の壁にめり込んだ。

丸太は衝撃でボロボロになり

まるで事故現場のような窪みがあった。



レイ

「こんな感じだ。

ニ は丸太に傷が着いたらクリアでいい。」



ニ も丸太を倉庫から

取り出して走って行った。


一体何に躓いたのか…

道中で派手に転んでいた。



レイ

「最後は…『武』だな。

3つくらいやるからよく見とけ。


《瞬足》《飛脚》《正拳》」



そう言って3つの技を見せてきた。


一瞬にして、中庭を端から端へ

3往復くらいして、そこから天高く飛び上がった。


その後、丸太の前で綺麗に着地。

お手本の様な型で丸太をへし折った。



レイ

「いけるか?サン。


あの二人が課題を成功するまでの時間

この3つを覚えて丸太を

破壊する所までやれ。


分からなかったら気軽に質問してくれ。

期待してるぞ。」



サン

「は、はい!!」



レイはサンの肩を叩き檄を飛ばした。


サンは丸太を取り出して

早速《正拳》から練習を始めた。


…なんか、あいつだけ

優遇されてないか?



まぁいい、他人は他人。


俺は俺だ。



「なぁ、俺は何を覚えればいい?」



レイ

「はぁ?もう十分だろ。」



「あれはアイツらの『技』だろ?

俺のやつなんかないのかよ?」



レイ

「…んじゃ、これでどうだ?

『火』《火球》」



そう言うと男の手に火の玉が出来て

それがこっちに飛んで来た。


…と、思いきやその火が

俺に燃え移った。


は?何考えてるんだこいつ?


俺が慌てて火を消そうと走っていると

男が出したであろう

大量の水が降り注いできた。



レイ

「なかなか滑稽だったぞ」



そう言ってまた男は高笑って

どこかへ行ってしまった。



死ぬかと思った…

決めた。こいつ、絶対ぶっ飛ばす。



…とりあえず俺も、丸太を取り出して

3人と違う場所で練習を始めた。


最初は…さっきの《火球》から練習しよう。

アイツに出来て俺が出来ないなんて

なんかムカつくから。


兎に角、火を出したらいいんだな。



………いや、無理。



自分の右手と睨めっこする。

出る気がしない。みんなは?


俺は周りを確かめるように見渡した。


イチはまだ風に弄ばれている。



…いや、風が出せている…



どうやってるんだ?



ニの方を見る。

ニは俺達の中で、特に容量が悪そうだけど

手が鉄の色には変わっている…



…いや、どうやってるんだ?



サンを見る。

もはや、レイが手本で見せていた速度と

同等のペースで動けていた。


…いや、どうやって

あんな速く動いてるんだ…?



…どうやってるんだ…!?



俺は焦った。

焦って試行錯誤を重ねた。


みんなの動きを真似たり…

あいつが言ってた言葉を

真似してみたり…


丸太に向かって

色んな動きを試してみた。


…が、いずれも

成果は得られなかった。


レイにコツを聞くか…?


いや、それは無しだ。


理由は分からないがあの男

俺の事が嫌いみたいだし…


…俺も嫌いだけど。



また火の玉をぶつけられたら

こっちの身が持たない。


せめて、コツさえ分かれば 何とかなるか…?



サンにアドバイスを……



レイ

「お前らそこまで!

一旦こっちに戻ってこい。


ちゃんと丸太も持ってこいよ」



"移動盤"の付近からレイの声がした。

みんな、慌てて丸太を持って

レイの所へ向かった。



レイ

「よし、今日の訓練はここまでだ。

普段はこの場所を皆が使ってる。


今は、お前ら新人の為に貸してくれてるが

明日からは共有で使うからな〜。

ちゃんと後片付けとかしとけよ」



俺ら以外のやつも使うのか。そりゃそうだ。

この広い場所は、俺達の4人じゃ身が余る。



レイ

「とりあえず、今日は終わりだ。


各自、今日の感覚を忘れずに 明日も頑張れよ。


それと、課題クリアの期限だが、3日間だ。

それまでにクリアを目安にしろ。


クリア出来なくても次に進むけど

後からキツイから、サボらねぇ方がいいぞ〜。


んじゃ、解散。

残りたい奴はまだ練習していいぞ。


休みたいやつは、丸太を倉庫に直してから休め。


各自の部屋を用意してある。

移動盤に乗って『自分の部屋』と念じてみろ。


以上だ。おつかれさん」



そう言うとレイは、後ろ向きに手を振って

"移動盤"に乗りどこかへ行ってしまった。


イチ、ニは丸太を倉庫に直し

移動盤に乗る所だ。


恐らく、さっき『用意した』と

言われた部屋に行くのだろう。


サンは…こいつバカだけど

真面目なやつだ。


みんなが帰ろうとしても

自分だけ練習しようと

丸太を置き、構えを取っていた。


誰が見ている訳でもないのに。


努力が評価される訳でもないのに。


サンは純粋に自分が強くなる為だけに

練習をしているようだった。


…そんなサンに心を

動かされている俺がいるのも事実だ。



「なぁ、サン。」



サン

「ん?どうしたの?ヨンくん。」



…そういえば俺ヨンだったな……



「なぁ、教えてくれないか?


『技』を出すって感覚が

分からないんだ。」



サン

「感覚?んー。なんだろう。


こう、ワーって感じ!

それとグーって来てドン!かな!」



…なんもわからん。

これで伝わると思ったのか?

しかし、サンは目をキラキラ輝かせ

真剣に語っている。



…こいつ、感覚派だ……!



「あ、あぁ。ありがとう…

参考になったよ…」



サン

「うん!!!!」



元気よく返事をすると

サンは稽古に戻った。


うん。これで良かった。

下手に刺激したら可哀想だ。


とはいえ、俺自身は

何にも得るものはなかったな…



…待てよ?

明日は『皆と共有』って言ってたな…


もしかしたらその中に

《火球》を使うやつが居るかもしれない…


俺はなんて頭の冴える男なのだろう。

明日、《火球》を使えるやつを探し出して

そいつに教わればいい。


そうと決まれば

こんな所にいても時間の無駄だ。


俺も自分の部屋に行こう。


俺は移動盤に乗り

『自分の部屋』へ行きたいと願った。



ー自室ー


着いた所は…小さな部屋に

ベッドが1つとその横に

灯りがあるだけの部屋だった。


身体を休めるって…

こんなとこで??


まぁいいか。

全員分の部屋を作るのも面倒そうだし


何より、「休む」という目的だったら

これ以上はいらない。


俺はベッドに横になり

灯りを消して眠りについた。



〜あとがき〜

ここまでのご愛読、有難うございます!!


あくまで個人的な感想ですが。

創作物を作成するにあたり

『愛』が1番必要だと考えています。


作品への愛情、キャラへの愛情。

そして、見て下さる全ての人に向けての愛情。


それがあるか無いかで、差は如実に出ます。

作品を閲覧する際も『愛』が無いものは

全く面白いと感じません。


キャラの良さ、物語の構成。

全て、作者である自分自身が、どれだけ

『愛』という 情熱と時間を費やせるかが鍵です。


たまに思う『上手く出来た日』『あまり良くない日』

人間なので、当然ムラはあります。


しかし、出来ないと思いながら書く作品に

一体どこに『愛』を見い出せば良いのか。


時に、筆を置くことも1つだと考えます。



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