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バーチャル戦争〜virtual war〜  作者: 未来郎
[第一章]『革命の芽』
4/49

第4話:「未来への可能性」

〜前回のあらすじ〜

この国の王だと言う男、ギアに連れられ

主人公は暗く小さな部屋へと辿り着く。

そこには、1人の男が3人の少年に何かを教えていた。

その中へ入れられ、一緒になって話を聞く。


…どうやら、この国で行う"戦争"の為に

徴兵にかけられたようだった。


この世界での常識、「属性」や「技」の話。

そして、自身の「属性」を知る為、机の上の水晶に触れると、色が変わるという。


半信半疑のまま、淡い期待を込めて行う「属性判定」の結果は…


レイ

「イチ、前に出て

この水晶に触れろ。」



イチ

「はい。」



レイに呼ばれ、大人しい少年が

返事をして前に出た。


そいつが水晶に触れると

だんだん黄緑色に変わっていった。



レイ

「黄緑色。『風』だな。


汎用性が高いけど、攻撃する『技』が

あんまり無いから、工夫が必要だ。


基本はサポートに徹したらいい。

よし、次の奴来い。」



言葉に表せないが、なんだか凄い。

自分の番が回ってくるまで、心臓が高鳴る。


自分の『属性』を

早く知りたくて仕方がない。


ワクワクしている俺とは真逆な

緊張している少年が行った。


1人目と同様、水晶に触れた。



レイ

「お、白か?…いや……灰色か。

『鋼』だな。


『鋼』は攻守共に優れている。

自身を鋼に変えれるからな。


ちなみに、うちのキングも『鋼』だぜ


…ま、あの人のは

ちょっと特殊だけどな。」



へぇ、あのおっさん『鋼』なのか。

重厚感かのせいか、確かに鋼っぽいな。



…そういえば、俺が拾われたあの日の夜。


何か、金属を引きずっている様な音がした。


何か関係があるのだろうか?


あれこれと考え事をしていると

横のヤツが急にでかい声で返事した。


驚いて腰を抜かしてしまった。


それくらい、元気な少年にとっても

楽しみだったのだろう。


気持ちはすごくわかる…!



レイ

「よし、サン。水晶に触れろ。」



…ん?何か違和感がある。


あの男…前の2人は

さほど興味を示さなかったのに


元気な少年同様、自分の事の様に

ワクワクして、目を輝かせている。


何があるのだろうか??


…元気な少年。

サンが水晶に触った。



サン

「茶色…ん?…黒かな?

レイさん、これは?」



レイはしばらく水晶を見ていた。

なんかニヤニヤしてる。



レイ

「さっきも言った通り

『属性』は10個って話をしたな?


属性判定…この水晶で出た色が

その10個に当て嵌ると。」



サン

「は、はい」



レイ

「…黒はどこにも属さない。

つまり、11個めの属性。『個』になる。」



サン

「それってすごいんですか?」



レイ

「凄いなんてもんじゃねぞ!


『個』なんて滅多に出るもんじゃない。

他の国でも、『個』持ちってだけで重宝される。


例外はあるが、上手く使えりゃ

"幹部"まで簡単に昇格できるぜ。」



サン

「かんぶ?よくわかんないけど

やったぁ!!」



サン…見た目通りで

子供っぽくてバカだなぁ。


…にしても、そんなのもあるんだな。

『個』って、何かフワッとしてるな。

具体的に何が出来るんだ?



…それより、あのレイの反応。

まるでサンの結果が「黒」になるのを

知ってたみたいだった。



レイ

「おい、次お前だ。」



「え? あぁ、おう。」



とうとう俺の番が来た。


色々と考え事をしていたが

そんな事、全てどうでもよくなるくらい

心臓が高鳴っている。


俺はどんな『属性』だろうか!


やっぱり『火』とか かっこいいよなぁ。

『水』でもいいな。『樹』はなんだろう?

ちょっと気になる。


もしかして俺も黒に変わるかも…?


淡い期待と溢れる好奇心で

俺は水晶に触れた。



「ん??」



レイ

「は??」



サン

「え??」



「…あれ????」



皆が俺の結果を見て、首を傾げる。



レイ

「おい、ちゃんと触ってるか?」



「あたり前だろ!なんだよこれ?」



レイ

「知るか。この水晶触って、『変化なし』

なんて今まで無かったし。」



そう。俺の判定結果は「変化なし」

つまり、「無色透明」だ。


透明は何か特別なんじゃないのか?

もしかして黒以上に凄い…



レイ

「能力無しだな(笑)」



この男、考えたくない事をズバズバと…

本当に性格が悪い。



レイ

「ギアさんが興味持ってたから


お前も「黒」だと思ったけど

とんだ期待はずれだったな。」



俺をバカにしたように高笑っている。

へっ、好きなだけ笑え。


…属性無しか……

大丈夫なのかな? 俺…



レイ

「さぁ、全員終わったな?

説明の続きするぞ。」



とりあえず話を聞くか…


恐らくは、ここから技を

覚えていくのだろう。


試験内容にもよるけど

合格出来るように頑張らねぇと…!



レイ

「よし、みんな色が出たな?

1人出てねぇやつもいるけど。


その色、つまり属性だな。よく覚えておけ。

これからお前達を支える事になる。


サンは『個』だけど、黒に変わる前を見てたか?」



サン

「はい!えっと…茶色になってました」



レイ

「そう。『個』ってのは個性の事だ。


他の誰でも無い、そいつだけの属性。

自分自身の色を作れるって訳だ。


けど、今は何か分からないと思う。

自分自身も、当然 他人もだ。


とりあえず分かるまで最初に出た色…

『茶』だから『武』だな。それを使え。」



サン

「はい!」



いいなぁ。羨ましい。

ちょっとサンが妬ましい。



レイ

「よし、次に『技』の説明に取り掛かる。

付いてこい。」



そう言って男が向かった所は

やはりと言うべきか。


あの円盤だった。



レイ

「これは"移動盤"と言って

部屋の部屋を繋ぐ、廊下みたいな物だ。


移動がめんどくせぇから作ったらしい」



『誰が?』とかいう疑問はさておき

これがあるのは、すごい便利だな。



レイ

「これの使い方は簡単だ。


何処に行きたいかを念じればいい。


対象の場所や、思い浮かべた人物のとこ

基本の移動手段はこれだから、忘れずにな。」



願う事で…か。

そういえば、最初…病室の女の人は

俺をおっさんの所へ、ちゃんと送ってくれたっけ?


その気になれば、めちゃくちゃな所へ

俺を飛ばせたって事なのかな?


ユウカ…だっけ?

こいつと違って優しいよなぁ…


なんて浮かれていると、頭を小突かれた。



「ぃって!」



レイ

「早く乗れ。お前だけだぞ。」



周りを見ると皆、狭そうにして

円盤でどこかへ行ったみたいだ。



「どこ行くんだ?」



レイ

「はぁ??

聞いてなかったのかよ。


"訓練所"だ。

『訓練所に行きたい』って

思いながら乗れ。」



そんな怒らなくてもいいだろ…


…とりあえず行くか。


俺は『訓練所に行きたい』と願って、円盤に乗った。



着いた場所は……庭?


俺達以外、誰1人居ない

広くて整地された中庭だった。


天然の芝が生え、天井がなく

太陽の光が降り注いでる。



レイ

「ここが訓練所だ」



後ろから男の声が聞こえた。


俺を含めた4人は、自然と扇形になり

男の周りに集まった。



〜あとがき〜

ここまでの閲覧、有難うございます!


私は、時に何度も構成を練りました。

伸び悩み、流行りに乗ろうともしました。


しかし、それに一体なんの価値があるのか。


自分自身の人生の集大成。

それこそが"作品"であると考えています。



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