第31話:「キングスキル」(VS漣の国 2戦目)
〜前回のあらすじ〜
1戦目が終わり、振り返り&作戦会議が始まる。
どうやら漣の国も、自由の国と同様"新米兵士"の
練習用で1戦目に臨んでいたようだ。
2戦目からは...本気の戦争。
"バーチャル戦争"は、まだ始まったばかりだ。
ーゼロ視点ー
2戦目が始まった。
俺の横には、"トウシン"と"エール"の2人が居る。
1戦目と同様。
また雨が降ってきた。
ゼロ
「なんか…雨のタイミング良いなぁ。」
トウシン
「当然だ。
相手方の"キングスキル"だろう。」
ゼロ
「キングスキル?なにそれ?」
そう言うと、トウシンが驚いた顔を見せた。
トウシン
「知らなかったのか?
これは失敬した。
戦争が開始する前、各国のキングが
固有の能力を発動する事が出来る。
それを俗に"キングスキル"と呼ぶのだ。」
ゼロ
「じゃあ、相手の"キングスキル"は
『雨を降らせる能力』ってこと?」
トウシン
「あぁ、その認識で間違いない。
"キングスキル"は、その国やキングの
言わば"特色"だ。
戦況を大いに左右する"力"
である事に変わりは無い。」
ゼロ
「そうなのか、マジで知らなかった。
ってか、おっさん…ギアさんにも
"キングスキル"あるの?」
トウシン
「うむ、キングであれば、共通して 有している。
我が国のキングは【ギアブレイク】
敵国のキング、最高幹部を除き
『1人を無作為に倒す事』が出来る。」
ゼロ
「それって、上振ったら
幹部を1人、無条件で倒せるって事か?」
トウシン
「あぁ、その通りだ。
加えて、作戦の"軸"となる兵士を倒せば
こちら側は、かなり優位に立てる。」
なるほどな〜、結構奥深いなぁ。
トウシン
「恐らく、こちら側も
"キングスキル"は発動した後だろう。
"幹部"を撃破すると、随時 アナウンスが流れる。」
ゼロ
「それも知らなかった!
どっちの幹部を倒しても?」
トウシン
「うむ、"幹部を倒された国"の情報が
アナウンスと共に流れる仕組みだ。
残り幹部と、残り兵士の情報。
それが、"司令"以外で情報を得る 唯一の方法だ。」
ゼロ
「なるほど…逆に幹部が倒されなかったら
相手にも"情報"は いかないのか…。
分かった!助かったぜ!トウシン!」
トウシン
「うむ、質疑応答はいつでも受け付けるぞ。」
ゼロ
「マジで助かるぜ。
レイの野郎、教え方 中途半端だからよ…」
トウシン
「…レイは、何かと雑な男だからな。
しかし、こと"強さ"に置いては一級品だ。」
それは認めるけど、なんか嫌だよなぁ。
あいつが強いって。
トウシン
「…今は指示があるまで、暫し待ってくれ。」
ゼロ
「おう!分かった!!」
1戦目の自由な感じじゃなくて
ちゃんとした集団行動か…
なんかワクワクするな!!
トウシン (自由の国・幹部)
「…承知した。」
ゼロ
「ん?どうしたんだ?」
トウシン
「…?
あぁ、今のは"通信機"だ。
"幹部以上"は"司令"と会話ができる。」
ゼロ
「って事は…今の『承知した』って
なんか指示受けたのか!?
何だ!なんでもやるぞ!」
トウシン
「本当に何でもするのか?」
ゼロ
「おう!任せとけ!」
仲間と協力するなんて
"対抗戦"以来だからな!
俺に出来る事なら、なんでもやってやるよ!
トウシン
「…待機だ。」
ゼロ
「…え?」
…え??
今なんて?
…いやいや、聞き間違いだろ。
なんだ!俺、1戦目の疲れ残ってんのかな!
トウシン
「待機だ。」
ゼロ
「…嫌だ。」
トウシン
「何でもするんだろ?」
言ったけど…!
なんで!? つまんねぇじゃん!!
ゼロ
「嫌だ!前線が良い!!」
トウシン
「駄目だ。」
ゼロ
「やだ!話が違う!!」
トウシン
「始めから何も言ってないが…。」
ゼロ
「うるせぇ!とにかく行くからな!」
このまま前の方行こー…
トウシン
「これ、何処へ行く。」
トウシンは、逃げようとした俺の服を引っ張る。
ゼロ
「ぐぇっ!ちょ、く、首!
…首締まってるっ!!」
トウシン
「進まなければよいだけだろう。
兵士が、指示無しに動く事は許さん。」
ゼロ
「くっそぉ〜!」
トウシン
(シレイの言った通りだな…)
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ー作戦会議 後ー
シレイ
「トウシン、ちょっといいか?」
トウシン
「何だ?」
シレイ
「2戦目なんだけど
お前の所に ゼロを付ける。
勝手な事しないように見張っててくれ」
トウシン
「問題児の世話か?」
シレイ
「ま、そんなとこだ。
開幕とか特に気つけてくれ。
あぁ言うタイプは
多分、指示に従わずに突撃する。」
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ー現在ー
ゼロ
「くっそ…離せ!」
トウシン
「離せば君は、何処かへ行くだろう。」
ゼロ
「どこもいかねぇよ!」
トウシン
「では、離す必要は無いな。」
ゼロ
「あぁ〜くそっ!つまんねぇ!」
エール
「えっと…?
がんばれー!ゼロくーん!!
必死になって抜け出せ〜!!」
ゼロ
「うるせぇ!おちょくってんのかー!!」
トウシン
(世話が焼けるな…。)
ーシレイ視点ー
やっぱゼロ暴れてんなぁ…大変そうだなぁ。
すまん!トウシン!何とか抑えててくれ!
…相手はやっぱり、本気で来たか。
見た顔が何人か居る。
…上等だ。
こっちだって、負けるつもりは無い!
…先ずは、"ジェット"!
何するか知らねぇけど、頼んだぜ!!
ーセイヤ視点ー
…前線になったのは良いけど。
ジェット(自由の国・兵士)
「宜しくね!セイヤくん(`•∀•´)✧」
セイヤ
「あ、はい。
…宜しくお願いします。」
なんでこの人と、2人きりなんだろ…
気まずいんだけど。
ジェットさんって…
僕と"兵士選別試験"で闘った以来だけど。
その時は負けたし…悔しいんだよなぁ。
この人も リベンジ対象なんだけどな…。
ジェット
「もしかして、緊張してる?」
セイヤ
「え?」
ジェット
「分かるよ!僕も最初はそうだったから!
けど、任せて!"先輩"の僕が付いてるからね!」
…この人って、ナルシストだよな。
新人教育の時から思ってたけど。
セイヤ
「お構いなく。」
ジェット
「…えっと……良い天気だね?」
何?この人も気まずいの?
セイヤ
「雨降ってますよ。」
ジェット
「あ…そうだったね。」
…いや、会話なんて続かないよ。
そもそも喋る必要も無いし。
ジェット
「…実はね?
シレイに言ったのは、僕なんだ。
『君と僕を組ませて欲しい』ってね。」
…え?なんの為に?
そのお陰で 地獄みたいな空気に
なってるんですけど?
気まずいの好きなの?
ジェット
「"試験"の時に、君の実力を見て 正直驚いた。
こう見えて、僕は"エリート道"ってのを歩いててね。
『属性』は2種持ち。"幹部"になるまで
あっという間だったんだ。
周りが持ち上げるから、僕もその気だったんだけど。
…そんな時に、君と出会った。
こんなにも強い"兵士"は見た事無かった。」
セイヤ
「えっと…ありがとう…ございます?」
ジェット
「うん、それでね? 思ったんだ。
僕の『能力』と君の『個』は
相性抜群なんじゃないか?って!」
あー、ジェットさんの『属性』って
『風』と『獣』の2種だっけ?
どこが相性いいんだろ?
矢は『風』の影響受けるから
めっちゃ苦手なんだけど。
ジェット
「だからさ!僕は君と仲良くなりたい。
君は、僕の事どう思ってる?」
セイヤ
「…自分語り多くて
あんま好きなタイプじゃないですかね。」
ジェット
「ははっ!クールな回答だね!
益々気に入ったよ!」
嫌味言ったつもりだったんだけど。
ポジティブだなぁ…。
ジェット
「…さ、そろそろだよ。
シレイが言ってくれたんだ。
『好きなようにすれば良い』って。」
『獣』《鳥の擬》
そう言うと、ジェットさんは翼を広げて
僕の肩を掴んで飛んだ。
セイヤ
「うわっ!えっ!?」
ジェット
「暴れたら危ないよ!
安心して、安全運転だから!!」
いや、そうゆう問題じゃ…!
ジェット
「行こう!快適な空の旅へ!!」
〜あとがき〜
トウシンの堅物感とジェットの間抜け感。
セイヤの毒舌感は、書いてて面白いです。
1人1人のキャラの視点で考えれて
自分自身が楽しいです。
ここまでのご愛読、ありがとうございます!
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とてもとても励みになります。




