第22話:「危険信号」
〜前回のあらすじ〜
メンバー選考から3日が経過。
特に進展はなく、いつも通りと
殆ど変わりのない生活が続く。
このまま何もアピールがないまま終わる…?
そう思っていると、自国の"幹部"トウシンが帰ってきた
彼が帰ってくるなり、直ぐに集合をかけられ
実力の近い者同士で、組手をする事となった。
…残り2日でメンバーが確定する。
これはただの組手じゃない。
勝てば、メンバー入りが決定する。
と言っても過言では無い。
…なんとしても勝ちたい。
負ければ先は無い。
熱い気持ちで望む、第1戦目は…
ずっと、主人公の隣に居たライバルだった。
…勝ち上がれるのは…どちらか1人だけ。
自分の心臓の音が、ハッキリと聞こえる。
シレイ
「どうした?始めろ。」
冷たい汗が頬を伝う。
当然、勝ちたい。誰が相手でも。
勝って…兵士になって…もっと強い奴と。
だって、今負けたら"戦争"に出れないから…
ここに居る皆は『5つの枠』を奪うのに必死で…
生き残る為に、本気で闘うから…
だから、俺も…勝たないと。
俺とヒロ…勝った方のどっちかが残るから…。
……俺達のどっちかって?
俺が勝ったら…ヒロは…?
ヒロ
「ねぇ…ゼロ? 大丈夫??」
『大丈夫?』って…
お前は『大丈夫』なのか?
この状況…分かってんのかよ…っ…
シレイ
「…あのなぁ、ゼロ……」
解ってるって…。
解ってるから…。
…何を?
俺とヒロが…一緒に戦争に出る事が出来ない事。
友情ごっこじゃない。
闘いなんて、そんな甘くない。
解ってる。全部解ってる。
なのに、理解したくない…。
ヒロ
「ねぇ、ゼロ?」
俺はヒロを見た。
そこには、いつも通りの微笑むヒロが居た。
ゼロ
「ヒロ…」
ヒロ
「僕さ、ずっと覚えてるんだ。
ゼロがキングに聞かれてた
『何の為に闘う?』っていう質問。」
俺は息を飲んだ。
…静かにヒロの話を聞いた。
ヒロ
「ゼロはその時、迷いなく言ったんだ。
『世界中の強い人と闘う為』って。
僕はね、それを聞いてワクワクした。
歓迎会の時も、自信満々で『No.1』になるって」
1つ1つを丁寧に受け止めた。
この力強い言葉。
ずっと傍に居続けたから
ヒロは俺の事をよく解ってる。
当然、俺もヒロが何を考えてるか解る。
ヒロ
「ゼロは、こんな所で止まる人じゃないよ!
僕は大丈夫だから!…ね?」
ゼロ
「…嫌だ……。」
ヒロ
「ゼロ…?」
それって…お前が負けてって事だろ…?
そんなの嫌だ。
俺は顔を上げて…
思い切り微笑んで言ってやった。
ゼロ
「本気で"枠"を奪い合う。
情けで勝っても、嬉しくねーよ!」
ヒロ
「うん!わかった!」
何を弱気になってたんだろう。
ヒロに励まされて…
自分の"目的"を見失うな。
友情は、大事だけど…
それよりもっと大事な事がある。
ゼロ
「男同士の闘いは
いつだって"真剣勝負"だろ!!」
ヒロ
「うん!それでこそゼロだよ!!」
目の前には戦友。
空は快晴。
曇り1つ無い晴天だ!
シレイ
「…よし、始めろ!」
俺は深呼吸をして、一歩踏み出した。
負けねぇぞ、ヒロ。
『武』《瞬足》
最短距離で間合いを詰める。
心が軽い分、身体まで軽くなったみたいだ。
ただ訓練してただけの 昨日までとは違う。
思う様に身体が動く。
けど、それは当然。
ライバルも同じみたいだ。
ヒロ
「『武』《瞬足》」
同速勝負だ。
考えなくて良い、身体に任せる。
俺自身を信じて。
ヒロ
「《正拳》!」
ゼロ
「ばーか、こっちだよ!」
『風』《追い風》
兵士1
「おっ、なんだ!?」
兵士2
「うわっ!し、新人か?今の??」
訓練所の人と人の間を通り抜ける。
風が気持ち良い。
ヒロも後ろから付いてきてる。
そう来なくちゃ面白くない。
『風』を使ったまま急上昇。
空高くへと飛び上がった。
太陽が眩しい。
ヒロ
「『武』《飛脚》」
ヒロも跳び上がって応戦する。
けど、『風』を操れる俺の方が優勢だ!
ゼロ
「『風』《かまいたち》!」
空中だと、流石のヒロも
動きの精度は落ちる。
間一髪の所で避け、頬に傷を負った。
血が滴る。
けど、満足そうな表情を浮かべる。
ヒロ
「やるね、ゼロ!」
こうやってヒロを倒す為に『技』を使うのは
対抗戦の時以来だ。
こんなにも、気持ちが逸るのか…!
ゼロ
「俺が勝つぞ!ヒロ!」
ヒロ
「最後まで分からないよ!
『武』《落蹴》」
上からの攻撃…
両手で防いだが、物凄い威力だ。
下に叩きつけられる。
『鋼』《鋼鉄の構え》
咄嗟に受け身の姿勢を取った。
ードォォォォォォン…ー
兵士1
「な、なんだ!あの二人!」
兵士2
「新米兵士のレベルじゃねぇよ…!」
…受け身は取った。
けど、ダメージはやはり残る。
周りの声が、ノイズになって聞こえる…。
叩き付けられた衝撃を受けて
俺の頭に"ある物"が浮かび上がった。
何故かは分からない。
けど、間違いない。
ハッキリと『信号機』が浮かび上がった。
歩行者用のやつ…青が点滅して…
何かの危険信号?
この先は危ない?
…けど、俺には何の変化もない。
…一体何が?
ードォン!!ー
空中からヒロが着地した。
…俺は不吉な予感に、後ずさりした。
こうゆうのは、空気感で分かるんだろう。
シレイやトウシン、幹部達もヒロを見る。
ヒロ
「流石だね!ゼロ!
…何だか、段々"調子良くなってきた"よ!!」
…直感で感じた…………来る…。
2度目の…『個性』の発現。
あの時と同じ…煙がヒロを隠す。
…何も変わらない。
変わったのは『対象』だけ。
ヒロ
「…よろしくね、ゼロ。」
ゼロ
「こっちこそ…よろしくな…!」
自我はあるらしい。
あの時のレイと、ほぼ互角。
俺が…今あいつを倒せる方法は…?
周りの警戒していた"幹部達"が
警戒を解いて、闘いに注目している。
リュウ
「おっ!あれが噂のやつか!」
ハドウ
「レイが負けたんだっけ?」
レイ
「勝ったわ、殺すぞ。」
セイヤ
「…………」
周りで組手をしていた者達も全員。
俺たち2人の戦いに釘付けだ。
…意識はあるって言っても
あの時のヒロは…暴走だけで動いてた。
急な身体能力の増強。
体にかかる負荷が心配だ。
シレイも同じ気持ちだったのだろう。
ヒロに声を掛けた。
シレイ
「ヒロ、大丈夫か?」
ヒロ
「え?…はい!大丈夫ですよ!」
スーツを身に纏っていても
ヒロはそのままだ。
少し安心したけど…
威圧感は、まるで別人だ。
シレイ
「そうか…まだ慣れない『個性』だ。
こっちが危ないと判断した段階で止めるぞ。」
ヒロ
「はい、分かりました!」
シレイ
「よし、続けろ。」
みんなが見守る。
…正直怖い。
けど、おっさん程じゃない。
"あの闘い"を経験した俺なら
今回も乗り越えれる。
あの時の俺自身が、背中を押す。
『恐れるな、闘え』と。
〜あとがき〜
ここまでのご愛読、有難うございます!
今まで、私はずっと
この書き方を貫いています。
個人的に、見やすいように書く。
というのを意識してます。
私もこの作品の読者でありたいので。
私が見返す時に、面白いと思える書き方をしています。
私の同じ感性の持ち主と出会い
この作品について語り合えたら楽しそうです(*^^*)




