第15話:「リュウ VS ハドウ」
〜前回のあらすじ〜
ギアに連れられ、仮想世界へと足を踏み入れた!
"訓練所"と"バーチャル戦争の戦場"へ案内するとの事らしい。
まずは"仮想世界の訓練所"だ。
タイミング良く、幹部同士の闘いが始まった…!
一体、どれ程の実力者なのだろうか…?
ーリュウ視点ー
俺の属性は『獣』
その中でも、異質な部類だ。
龍…ドラゴンになれる。
めっちゃカッケェし、つえぇから
俺はこの能力で満足してる。
鋭い爪は武器にもなるし、この鱗は鎧だ。
並大抵の攻撃じゃ、俺の鱗はビクともしない。
…けど、コイツは例外だ。
中に響く攻撃。
当たらねぇ様にしようにも
攻撃が見えねぇから迂闊に近づけねぇ。
…条件は、遠距離での攻撃。
近寄らずに制圧だ。
リュウ
「《龍弾》」
俺の得意技の1つ。火の玉を吐く攻撃。
ハドウ
「《流波》」
ま、簡単にはいかねぇわな。
ードォォォン!ー
ハドウ
「おいおい、観衆さんに当たるぞ?」
リュウ
「だったらテメェが避けんな《龍弾》」
ハドウ
「無茶苦茶言いやがる(笑)
…お前は隠し事が下手だなぁ。
俺に近寄られたくないってのが
伝わってくるぜ?《波動》」
波動の反動でこっちに…!
いや、このまま迎え撃つ!
リュウ
「《龍鱗》」
ハドウ
「《波動・響》」
ードゥゥゥゥン!!ー
リュウ
「がはっ…!げほっげほっ!」
やっぱ、すげぇ技だな。
それでこそ、俺のライバルに相応しい…!
ーゼロ視点ー
龍の男が吐血した。
息も荒れてる…明らかに劣勢だ。
逆に波動の男は、龍の男を
見下すような目で勝利を確信している…
ハドウ
「そろそろ決めるぞ
ちょっと調子良いからって
浮かれたお前が悪い。《波動》」
リュウ
「ぐぁっ!《龍翼》」
龍の男は空高く飛び上がった。
そうか、空中なら
波動男は攻撃が届かない。
…と思ったのも束の間。
波動男は下に向けて
"波動"を放って反動で飛び上がった。
ハドウ
「《跳波》逃げんなよ、リュウ。
楽しもうぜ??」
リュウ
「ハッ…!ほんとやらしい奴だな…」
ハドウ
「《波動・衝》」
ードゥン!!ー
ードカァァァン!!ー
龍の男が地面に叩きつけられた!
すかさず追撃が来る…!
ハドウ
「《波動・烈》」
ードドドドォゥン!!ー
兵士1
「お、おい…決着だ!」
兵士2
「勝者はハドウさん!流石だ!」
ーワァァァァァァァ!!ー
観客が湧く。
…本当に終わりか?
確かに終わった筈だろ…
何だ…この期待は…この胸騒ぎは…
龍の男は、うつ伏せになって倒れているのに…
まだ何かある…そう思う。
ギア
「分かるか?ゼロ。」
俺の様子を汲み取ったのか
おっさんが俺に聞いてきた。
…分かるも分からないも
これは、確信だ。
ゼロ
「"手負いの獣"が、1番危ない…」
勝負はこれからだ。
龍の男はゆっくりと立ち上がる。
はしゃいでいた観衆が
一人…二人…全員が、龍の男に着目した。
波動男は、嬉しそうな顔をして
迎撃の体勢を整えた。
ハドウ
「さぁ、フィナーレの時間だ。」
リュウ
「ハッ…見てやがれ
そのスカシ顔、ぶっ潰してやんよ…。」
ーハドウ視点ー
俺の『属性』は『癒』だ。
『癒』じゃ闘えない。俺も1人の男だから。
"大切な人"を護る為には『癒』じゃダメだと思った。
『回復』は、傷付いてからする。それじゃ遅いだろ。
傷付く前に…傷付けさせない為の護る力が欲しかった。
そうして得たのが、この『波動』だ。
回復はよく、波に例えられた。
傷口から、広がる様に。
暖かい波を全体へと広げる様に。
その『派生』の先に辿り着いた答えがこれだ。
俺はこの力に満足している。
護る為の力。
勝つ為の力。
…リュウとは、コイツが新人の時に闘って圧勝した。
1回勝った相手だ。
こんな所で、負けてられないんだよ。
ーゼロ視点ー
状況は依然、波動の男が優勢。
けど、龍の男の目は、まだ死んでない。
ハドウ
「お前、ホント諦め悪いな。」
リュウ
「…あぁ、俺は諦めがわりぃ。
お前に負けたあの日も…寝れねぇ日が続いた。
今日で全部、終わりにしてやる。
俺は俺を信じる 《真龍解放》」
その瞬間…龍の男は、更なる変容を遂げた。
鋭い爪は、更に鋭く。
夥しい鱗は、更に夥しく。
力強い羽は、更に力強く。
…唯一の面影があった"目"は
対象を"獲物"と認識する
野生の"眼"へと進化した。
リュウ
「ハドウ。お前への復讐心が
この俺を作った。感謝するぜ、相棒。」
ハドウ
「そりゃ良かったよ。
…けどお前、ジリ貧だろ?
その強がり、どこまで持つか見物だぜ。」
波動男が中指を立てて挑発する。
リュウ
「《真龍爪》」
ーザシュッ!!ー
速い!先程とは段違いに!
波動男の腹部が抉れる。
人の腹が、まるでバターでも取るように簡単に…
ハドウ
「く…っ!」
波動男は堪らず後ろへと下がる。
リュウ
「逃がさねぇ!」
ハドウ
「…っ!野郎!《波動》」
リュウ
「《龍翼》」
龍の男は翼で風を起こし、波動を相殺した。
あの姿になってから
全部がグレードアップしたみたいだ。
リュウ
「どうした!?
そのままじゃ勝ち目ねぇぜ?ハドウ!」
ハドウ
「余計なお世話だ…!」
波動男は死力を振り絞って
龍の男の懐へと入り込んだ。
ハドウ
「《波動・烈》」
ードゥゥゥゥン!!ー
龍男の変身が解かれる…決まった…のか?
リュウ
「間に合った…!《龍爪》」
ーザシュッ!!ー
龍の男は、起死回生の攻撃。
何とか踏みとどまった。
波動男は、気を失ったのか…
顔から地面へ倒れ…そのまま消えた?
リュウ
「るっしゃぁ!見たかぁああ!!」
ーワァァァァァァ!!!!ー
先程よりすごい歓声!
その場に居た者、全員が龍の男を称える。
圧巻だった…
あのハドウって奴も強かった。
俺には『龍』になるイメージも
『波動』を出すイメージも分からない。
この戦いは、あの2人にしか出来ない演出。
俺にとって、貴重な勝負となった。
ギア
「リュウよ、大儀であった。」
リュウ
「あっ、キング!」
兵士1
「キングだ…」
兵士2
「え?キング?」
訓練所の全員は、おっさんの姿を見るなり
片膝をつき、目線を下にして
忠誠心を表しているようだった。
ギア
「リュウ、顔を上げろ。
お前は勝者だ。そのまま精進しろ。」
リュウ
「はい!ありがとうございますっ!」
龍の男は、心底嬉しそうに言った。
ギア
「時に、皆の衆!
我は見ての通り、新人の育成をしていてな。
次は、"バーチャル戦争"の説明をする所だ。
何名か協力してくれんか。
"司令"にも伝えておいてくれ。」
おっさんが言うと、みんながザワつき始めた。
兵士1
「お、おい…!バーチャル戦争だって!」
兵士2
「国内での対抗戦か?久々だな!
直ぐに"準備"に取り掛かろうぜ!」
兵士3
「先に早く、レイさん達にも知らせないと!」
騒がしくバタバタしだした。
"準備"ってなんだ?
おっさんは俺達の所に戻ってきた。
ギア
「さて、余興は終わりだ。
次はいよいよ"バーチャル戦争"の説明だ。
ついてこい。」
〜あとがき〜
ここまでのご愛読有難うございます!
次回はいよいよ、この作品の軸である
バーチャル戦争についてのお話です!
作品の感想等、お気軽に書いてください!




