第13話:「ゼロ」
〜前回のあらすじ〜
ギアからの"試験"を受ける事となった主人公。
内容は"60秒間、攻撃を耐えれば合格"という物だった。
…けど、耐える事…逃げる事で満足なのか?
そう考えた主人公は立ち向かった。
この国の長に対し、真っ向から。
戦友を想い、敵わないと知りながら堂々と闘った。
目が覚めると、青い空。
残り時間は、12秒。痛恨のダウンだった。
しかし結果は…なんと、合格。
伸び代を見込まれたのか。理由は分からない。
これから主人公は、"兵士"として、新たな人生を歩む。
ー次の日ー
目が覚めた。
身体のあちこちが、ズキズキと痛む。
『今日は一日は身体を休めろ』と
おっさんから言われている。
また明日になったら選別の合格者2人 (サンとヨン)は
おっさんの所へ行って、説明を受ける事になってる。
今日は暇か…
そんな事を考えて
ベッドの上でゴロゴロとしていると
移動盤の方から声がした。
???
「やぁ、おはよう」
俺はびっくりして飛び起きた。
聞き覚えのある声だ。
???
「ヨン?いる?」
そう言って、顔を覗かせてきたのはサンだった。
「あぁ、サン。どうしたんだ?」
俺の顔を見て安心したのか
サンはホッと息を吐いた。
そして俺の近くに歩いてきた。
サン
「いや、試験…
どうだったのかなって…」
そうか、こいつは あの後
ダウンしたから知らないのか…
俺はサンに向かって微笑んで
親指を立ててグッドポーズをした。
サンは心配そうな顔から
パァっと明るい顔に変わって言った。
サン
「ほんとに!?やったぁ!おめでとう!!」
俺の手をとって、ぴょんぴょんと跳ねている。
喜び方の無邪気さが、まるで子供のようだ。
「と、とりあえず1回座れ」
俺はサンを横に座らせた。
…何から話そうか……
サンはあの時の事、覚えてるのかな…?
「えーっと…」
サン
「そうだ!明日の話、聞いてる?」
俺が話題に困っていると
サンが話を振ってくれた。
こういう時は、こいつの明るさに助けられる。
「明日?あぁ、おっさ…
ギアさんのところに行くんだろ?」
サン
「うん、新人から"兵士"になったから
戦争への参加資格があるんだって。」
「…なぁ、なんなんだ?
戦争って…? なんで闘うんだ?」
サンは首を傾げて考えている。
サン
「んー?わかんないや。
でも、この国にいる人や他の国の人も
みーんな戦争に参加してるって!」
みんなって…すごい大規模だな。
なんでかは分からない…か
そうか…戦いに意味なんてないのかもな…
ってか、知らないのに
なんでこんな詳しいんだ?
「なぁ、サン?」
話しかけたと同時に、俺は言葉を飲み込んだ。
また思い出して…暴走なんてしたら…。
サン
「どうしたの?」
面と向かって聞くのは、少し怖い。
何より、サンの精神面が心配だ。
サン
「もしかして、僕の試験の事?」
俺はドキッとした。
まるで見透かされたような回答に
俺は唾を飲み込んだ。
サン
「実はさっき…レイさんと話してきたんだ。
なんにも覚えて無かったから
試験の結果とか、イチやニの事とか…」
こいつ、昨日あんだけキレて
やり合った レイに話に行ったのか?
意外とすごいメンタルしてるな…
サン
「正直、レイさんの考え方は
納得も…理解も出来なかったけど
思ったんだ。僕がもっと…
2人を守れるくらい、強かったらな…って。」
…俺はあの時、ただ見ているだけだった。
サンも感情的になって…怪我をしてでも
イチやニを思って、止めるべきだった。
サンは強い。そして優しい奴だ。
「サン、俺たち頑張ろう。
試験に受からなかった2人の分も。
誰かを守れるくらいにさ。」
サンは力強く頷いた。
サン
「うん!今日はありがとね!」
そう言ってサンはベッドから降りた。
俺も慌ててサンについていった。
「もう行くのか?」
「うん!ちょっと身体を動かそうと思って」
「…だったら一緒に行かないか?
お互い、昨日ので疲れてるだろうから
軽く流す感じで。組手でもしよう」
サン
「ヨン…!うん!!」
ー訓練所ー
サンと2人で訓練所に来た。
昨日の噂はもう広まっているらしく
"個性持ち"と"レイに続く全属性"
周りは"期待の新人2人だ"と騒いでいる。
そんな目線も気にせず、俺とサンは組手をした。
…分かる、こいつの動きが……
…分かる、どう動くかが……
…この時間、何も無くただ身体を動かしてる時間が
何も考えなくて、幸せな時間だ。
明日だ。明日で全部分かる。
俺がするべき事が…
ただ、今は…この幸せに、少し酔っていたい。
2人の組手は、日が暮れるまで続いた。
ー次の日ー
目が覚めた。
窓を開け、外の空気を吸う。
俺はぐーっと伸びをして、顔を叩いた。
「さぁ、いくか!」
移動盤に乗り『王様の場所』と願った。
ー王の間ー
ギア
「よく来た。試験の合格者よ。」
俺とサンは息を飲んだ。
相変わらずすごいプレッシャーだ。
横にはレイもいる。
ギア
「まず手初めに…
君達2人の名前を決めようと思う。」
あ、そうか…俺たちの
『サン』『ヨン』仮の名前か…
ようやく本当の名前が貰える!?
『属性判定』以来のドキドキだ!
ギア
「まずは君からだ。
大体の事はレイから聞いている。
『個』を持ってして産まれたとな。」
サン
「は、はい!」
サンも緊張しているのだろう。
もしかして、サンはおっさんと話すの初めてか?
ギア
「君は何になりたい?」
サン
「…え……?」
突拍子もない質問に、サンは戸惑っていた。
しばらく考えて、覚悟を決めた目で答えた。
サン
「…みんなを守れるくらい
強くて、かっこよくなりたいです…!」
俺は隣で微笑んだ。
サンらしい回答だと思う。
ギア
「…ほう……良い目だ。護る為か。
その雄姿は"英雄"を彷彿させる。
誰が為に闘うのも、また一興。
君の名前は『ヒロ』だ。精進したまえ。」
ヒロ
「は、はい!!!!」
…サン、良かったな……
いや、今はヒロだったか。
なんか寂しい気持ちになるなぁ
ギア
「そして君だ。」
「は、はい!」
来たっ!俺の番だ!!
ギア
「君はなんの為に戦う?」
…なんの為に戦うかって?
俺に迷いはない。即答できる。
主人公
「この世界の…
"強い奴"と戦う為です。」
俺の言葉を聞くと
おっさんは大きな声で笑った。
…そんなにおかしな事言ったか?
ギア
「闘争心…全て揃った。
改めて…お前の名は…」
お、俺の名は…????
ギア
「『ゼロ』だ。」
…ゼロ?
おいおい、また数字かよ…
レイ
「おい!ちょっと待てよ!ギアさん!!」
急にレイがおっさんに
激しく反発した。
レイ
「なんでだよ!?
俺なんも聞いてねぇよ!?」
ギア
「お前に言って何になる?」
レイ
「…っ!そ、そうだけど…けど俺に…!」
ギア
「もういい、下がれ。」
レイ
「…くそっ!!」
レイは荒ぶったまま
出ていってしまった。
一体なんだってんだ?
…そういえば、最初の名前の時も
俺が冗談で「ゼロ」って
言ったら何か怒ってたな…
もしかしてなんかあるのか? この名前。
ギア
「すまなかったな。
さて、早速だがヒロ、ゼロ。
紹介しなければならない所がある。」
〜あとがき〜
ここまでのご愛読、有難うございました!
やっと主人公とヒロの名前が書けました!
こんな序盤までで3万字を越えていたとは
思ってもいなかったです。
評価よりも、自分の好きな様に書けば良いと気付けました。
もちろん、誰かに見られて
評価されるのが1番ですが(* ˊ꒳ˋ*)
これからもまだまだ頑張ります!
応援してくださる方は愛してます(*´³`*)




