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オオカミさんのかくれんぼ  作者: 筍とんぼ
第一章 海鈴祭準備
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私宛の手紙

 私の家は高校からそれほど遠くはない。バスで30分ほどだ。そして、バス停から坂道を少し歩いたところに私の家はある。


 「ありがとうございました。」


 バスを降りるときにはいつも言っている。バス停から見える私の家は、明かりは灯っていなかった。いつものことだ。両親は共働きで、二人とも帰りが遅い。私は一人っ子のため、一番に私が家に着く。


 家に着くと必ずポストをみるのが日課になっている。今日もなにか届いていないかとポストを覗き込むと、一通の封筒が入っていた。どうせ、父か母のどちらか宛だろうと思いながら、封筒をポストから出す。その封筒に書かれていた宛名は、『葉山 夏夜様』。なんと、私宛だった。


 (なんの手紙だろう?)


 白い封筒を開け、確認する。中に入っていたのは、花柄の便箋だ。


(かわいい便箋だなぁ。一体誰からだろう?)


 便箋には、中央にただ一言。


『明日の夕方5時、演劇部部室にて。』


 送り主の名前は書かれていなかった。


(明日?演劇部部室って、もしかして明日の取材のことかな…?)


 そういえば、宇佐美さんや小田さんが住んでいる地域は私の住んでいる地域の近くだ、と以前言っていた。もしかしたら、小田さんがわざわざ手紙に書いて連絡してくれたのかもしれない。急いでいて、名前を書き忘れたのかもしれない。納得できる言い訳を自分に言い聞かせる。そうでもしないと、なんだか気味が悪くて落ち着かなかった。



 ――お風呂を済ませ、一人で夕食を食べていると通知音が鳴った。あとで見ればいいかと一瞬考えたが、宇佐美さんが「あとで連絡する」と言っていたことを思い出し踏みとどまる。


(…確認しよう)


 スマホを手に取り、通知を確認する。やはり、宇佐美さんからだ。さっそく返信をする。


桃 「まいにはなしたよ」

  「明日の放課後来てだって~」


夏夜「時間とかは指定ないですか?」


桃 「特にないみたいだから、準備し終わったら行けばいいと思うよ♪」


夏夜「分かりました!ありがとうございます!」


桃 「こっちこそ引き受けてくれてありがと!

まいめっちゃ喜んでたから!」


夏夜「よかったです!」


 最後にスタンプを送り合い会話を終わらせる。


 私がスマホを持ち始めたのは今年の4月、高校生になってからだった。顔を見ずに会話するということに最初は緊張していて返信に時間がかかっていた。しかし、今となっては短時間で返せるようになってきた。慣れてきたなと思いつつ、先ほどまでの会話を見返す。


 ふと、あることに気づく。


 私は夕方見た手紙の内容を思い出す。あの手紙には『()()()()()5()()、……』と書いてあったはずだ。だが、先ほどの会話では時間の指定がないか聞いた時、宇佐美さんは『()()()()()()()だから』と言っていた。ということは、手紙を書いた人物は小田さんではない。もちろん、メールをくれた宇佐美さんでもないだろう。


 ならば、あの手紙は一体誰が書いたものなのだろうか?

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