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オオカミさんのかくれんぼ  作者: 筍とんぼ
第一章 海鈴祭準備
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かわいいクラスメイト

「まぁた、そんなもの作ってるの?」


 突然後ろから声がした。反射的に後ろを振り向くと、そこにはクラスメイトの宇佐美桃(ウサミモモ)がいた。


「う、宇佐美さん?!」

「ふへへ♪」


 いたずらっぽく笑う彼女は、私と同じ1年4組だ。そして、数少ない私に話しかけてくれる人なのだ。話しかけてくれると言ってもほぼ用がある時だけで、友達のようにお喋りする仲ではない。


「どうしたんですか…?」

「え?なにが〜?」


 まさか。


「…。用があるわけじゃないんですか…?」

「特に用はないけど」


 はっきりと彼女は言う。どうやら今回は彼女の気まぐれだったらしい。


 彼女は基本的に誰にでも優しいのだが、1部の女子には嫌われてしまっている。


 世間一般に『あひる口』と呼ばれる特徴的な彼女の口元や、少し垂れていて可愛らしい目元、頭のサイドで高く結んでいるツインテールが特に不評を集めている。男子からの人気も高く、なにかと敵が多い。彼女自身気に留めていないようで、いつも変わらない様子で学校に来ている。


 The女の子というような彼女をみるたびに少し羨ましいと感じる。と、同時に大変だなと感じるときもある。


「なぁに、アタシのこと見つめてんの?もしかして、アタシがかわいいから?」


 自信ありげに、彼女は少し顔を近づける。私の顔は「そうだ」とでも言うように赤くなってしまう。人を見つめてしまうことと、男女関係なく人に対して緊張してしまうことは私の悪い癖だ。


「そんなことより〜、よぉくこんな新聞作るよね〜」


(察してくれた…)


 半年ほどクラスで一緒に過ごしている彼女は、私の悪い癖を察して話題を変えてくれた。


「ねぇ、もしかして頼んだら記事書いてくれたりする〜?」

「は、はい。私でよければ全然書きますよ!少し時間はかかっちゃいますけど」

「え!ホント!!助かる〜!」

「アタシの友達がね、なにかいい宣伝方法ないかなって悩んでたんだ〜」


 (宣伝?どんな内容なんだろう…)


「宣伝ってどんな内容なんですか?」

「あのね、演劇部の友達に頼まれたんだ〜」

「文化祭当日に演劇があるの。その宣伝をしてほしいって。」

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