表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/315

続き19

 目の前の廊下の向こうからカタカタと操り人形が這いつくばって向かってくる。


 それも数体。


「何、あれ? 」


 俺が慌てて皆と<三本首>の巨体の陰に隠れた。


「老公の先発隊では? 」


 ヤタガラスさんが話す。


「人形が動いてるよ」


「本当だ」


「いや、お前らマジで言ってんのか? 」


 俺と<おやっさん>の野崎君が驚くと中西君が突っ込んできた。


「いや、結構、パニクってるんで。操り人形が人もいないのに何で動くんだ? 」


 俺がそう答えた。


「いや、あんた達だって動いてるし」


「いや、それは操り人形じゃ無いし」


「変わらんでしょうが」


 中西君が声を抑えながら突っ込む。


「あっ! 」


 <おやっさん>の野崎君が叫んだ。


 這いつくばって近づいていた操り人形が一斉に<三本首>の巨体を乗り越えてこちらに襲い掛かって来た。


「ひぇぇぇええええ! 」


 中西君が叫んで逃げる。


 それと一緒に俺と<おやっさん>の野崎君も逃げた。


「いや、戦う為に改造したでしょうが! 」


「すでに全部使い切って残って無いし」


「そもそも、中西君の方が巨体だから戦えるでしょうが! 」


「いや、開発してるものは表に出て戦わないでしょ」


「「たしかに」」


「認めちゃうんだ」


 俺と<おやっさん>の野崎君が納得したのでヤタガラスさんが呆れ果てた声で答える。


 だが、そのヤタガラスさんですら逃げてるんだから、多分、相当あの操り人形は強いのだろう。


 そして、カタカタと言う人形の音はマンションのあちこちに響きだしていた。


 凄い数の操り人形が乗り込んで来ていることになる。


「仕方あるまい」


「そう、思いますか」


 俺が<おやっさん>の野崎君と顔を見合わせると廊下の窓から木のあるあたりに飛び降りた。


「ちょっ! 汚いっ! 」


 中西君が叫んだ。


 だが、我々は人形なのだ。


 飛び降りても下に木があれば三階くらいなら壊れないのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ