続き17
「マジで助けてくれっ! 」
中西君がモグモクされながら叫ぶ。
「どうやって? 」
「難しいですな。我々は人形ですし」
俺と<おやっさん>の野崎君が答えた。
「鬼か貴様らっ! 」
中西君が叫んだ。
「安心してください! 死んでも大丈夫だから! 」
「いや、お前が嬉しそうに言うなやっ! 」
<おやっさん>の野崎君の言葉に中西君が震えた。
「あっ、油断したら駄目ですよっ! 」
一瞬にして俺も<おやっさん>の野崎君も<三本首>の残りの二本の首の一つに続けて飲み込まれた。
「ああああああああ! 」
流石の<三本首>も三つの首の一つはぐちゃぐちゃになっていて、一つの首は無事で中西君をもぐもぐしていたが、もう一つも血を流して動かなかったので油断していたのだ。
その首が俺達を飲み込んだ。
「あああああ! 助ける奴が食われてどうするよぉぉぉ! 」
中西君が絶叫した。
だが、その時、凄まじい叫びをあげて<三本首>が俺達全員を吐き出した。
「な、何が一体っ! 」
ヤタガラスさんが叫ぶ。
俺が手に持っていた瓶を見せた。
たまたま逃げる時に見つけて持っていたのだ。
そうキャロライナリーパーと呼ばれるタバスコの1600倍の香辛料。
「キャロライナの死神ですか? 」
<おやっさん>の野崎君がそう話す。
「流石だ。唐辛子の二百万倍の辛さを持っている。唐辛子が一番辛かった時代の妖なら流石にこれは効くだろうと思ってだな」
そう俺が笑いながら説明した。
もう<三本首>さんはのたうち回って痙攣していた。
一瓶全部ばら撒いたのだ。
これは効く。
「勝ったな」
「やりましたね」
「だから、貴様らは逃がさんと言ってるっ! 」
俺達の喜びあってるのを見て鬼のような顔をした人の顔をしたフクロウが叫んだ。
それと同時に同じような人の顔をしたフクロウが次々と集まってきていた。