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続き4

「おおおお。そんなものがあるんですか? 」


「神様の清め砂は塩の一段上のものだと思っていただきたいですね。で、私がお勧めするのは、この光明真言の土砂加持を受けた砂です。この光明真言の真言を練りこんだ土砂加持で祈祷された砂をまけば、一切の罪障は消滅し、墓所に撒けば亡者はたちまち極楽浄土に成仏すると言われています。これを空気ボンベかガスボンベの力でまき散らせばかなりの効果があると思いますね」


 中西君が俺ににやりと笑った。


「それは保証します。こいつが俺を成仏させようとしてかけて、俺が避けたのにほんのわずかにさらっとかかっただけで、ふわっと昇天しそうになりました」


 <おやっさん>の野崎君がそう苦笑した。


「え? 彼にかけたの? 」


 俺が驚いて中西君に聞いた。


「ええ。しかし、残念ながらポルターガイストで大切な本棚とか破壊して暴れるんで被害が酷くて諦めました。せっかく、極楽浄土に成仏させようとしたのに……」


 中西君が悲しそうに呟いた。


「いやいや、彼女が居るのに俺だけ成仏する訳にはいかない。あの子を幸せにしないと」


 <おやっさん>の野崎君がきっぱりと話す。


 いや、だから、それがストーカーなのではと思った。


 そもそも、振られているのだし。


「その彼女がもしもそれを望んだらどうするんだ? 」


「それは拒否します」


 中西君のズバッと切り込んだ話をあっさりと<おやっさん>の野崎君は否定した。


 何という見事なまでのストーカー魂。


 彼女の冥福をお祈りせざるを得ない。


 彼は行動力だけは超一級品だ。


 こんなのに狙われたら助からない。


 ふと、俺が中西君を見ると同じように彼女の冥福をお祈りしている感じだった。


 彼も自殺だろうが事故だろうが、死んだ友人が訪ねに来るってキツイよな。


「何か? 」


 ふと気が付いたのか<おやっさん>の野崎君が俺と中西君を見た。


「「いや、何も」」


 俺と中西君が同時に答えた。


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