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続き2

「いや、身体は別の場所にあるんですよ。<老公>とか言う変な妖魔に奪われちゃって。それで市松人形に封印されたんだけど、逆にこれは俺にヒーローになれと言う神からの使命かと思って」


「むう。そこは分かりますね」


 そう中西君は強く頷いた。


「おお、同志だ。良かった。皆が何を言ってるんだと言う顔をするから、俺も困っていたんだ」


「なるほど、俺にはわかりますよ。『大いなる力には、大いなる責任が伴う』ですよね」


「それは引用するとまずいとこの作品の言葉では? 」


「いや、実は古くからの格言で紀元前4世紀には「ダモクレスの剣」の引喩に使われたほど有名なんで問題ないでしょう」


「素晴らしい蘊蓄だ」


 俺が感動して中西君を褒めた。


「いやいや、三鈴(みすず)さんと冥婚したって話にはピンとこないですが、悪の組織に改造されて亡くなった愛する人の為に戦い続ける。素晴らしいですね」


 中西君が感動したように俺を見た。


「有難い。協力してくれるかな? 」


「勿論です。そういうヒーローの願いは断れませんよ」


 そう市松人形の俺と中西君ががっちりと握手した。


「いやいや、待って待って。彼女が亡くなってるのに冥婚した加茂さんは尊敬されて、俺はどうして駄目なの? 死んでいるのは男と女の違いはあるけど、愛し合った二人の話だよ? 」


 そう<おやっさん>の野崎君が突っ込んできた。


「いや、これはヒーローの定義の話だし」


 俺がそう反論した。


「お前のはストーカーじゃん? 」


 中西君がそう冷やかに<おやっさん>の野崎君に突っ込んだ。


「いやいや、それはおかしいでしょ。愛に変わりはないんだし」


「いや、彼女の為に戦ってんじゃないだろう? お前、振られたのに未練タラタラすぎるんだよ」


「馬鹿なっ! 」


 <おやっさん>の野崎君が動揺していた。


 うーん、これは野崎君が彼女のとこに訪ねに行ってしまいそうだな、今の姿で……。


 彼女が少し可哀想になった。

 



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