2部 終わり
俺が慌てて消そうと思って、燃えている着ていた着物を脱いで投げつけた。
それがさっきの地震で倒れて落ちてきたコンクリ当たって歪んだ集落の自家用車に当たった。
そして、ガソリンが漏れていたらしい自動車が爆発した。
それと同時に次々と爆炎が上がって集落が燃え出した。
流石の震度7。
あの最初に入ったあまりダメージの無かった家と違って、木造の瓦屋根の屋敷や古いプレハブの家は壊れていたので、それらに炎が移った。
「ふははははははははははは! これが正義の火計だっ! 」
それを見た<おやっさん>の野崎君がとりあえず言ってるようだ。
「くくっ、適当な事ばかりしゃがってっ! 」
<三本首>が忌々し気に叫んだ。
たが、それで良かったのだ。
何しろ、相手は図体がでかい。
あちこちが炎上すると流石に身体が焼けだした。
拝み屋さんの中にはやばいものはとりあえず焼いちゃえって焼く人が結構いる。
意外にも霊的存在の身体に炎はダメージを与えているようだ。
「く、糞っ! 」
<三本首>が忌々し気に呟くと、仕方なく集落を離れていった。
「流石だ。火計を狙っていたとは」
俺が<おやっさん>の野崎君に感心した。
「ふふふふ、狙った通りですよ」
<おやっさん>の野崎君が威張った。
「それに比べて、俺はこの市松人形を焼いてしまった」
俺がそうしょげて市松人形の手を出した。
着物が燃え盛った時に両手が焦げてしまった。
痛みは無いが、もう細かく手は動かせなかった。
「安心してください。実は私も友人に非合法な人物が居まして、そいつに治すだけでなく改造してもらいましょう」
<おやっさん>の野崎君が嬉しそうに答えた。
非合法な人物で不安になったが、仕方がない。
「じゃあ、頼むよ」
俺がそう<おやっさん>の野崎君に頼み込んだ。




