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続き5

「とうっ! 」


 その時叫び声がして茫然としていた<老公>人形師のドジョウ掬い人形に陰に隠れていた野崎君が入った。


 そして、唖然としたままの<老公>人形師の手からドジョウ掬い人形に入ってジャンプして脱出した。


「おおおお、野崎君かっ! 」


 俺が市松人形のまま答えた。


「ふふふふふ、貴方がそのノリなら<おやっさん>は必要でしょう」


「おお、確かにっ! 」


 俺が野崎君の心づかいに感動した。


「いや、待て、どうなってる? 」


 <老公>人形師の声が動揺しまくっていた。


「ふふふふふ、馬鹿め。俺はお前らに貰った、この改造人形の身体でお前達と戦うヒーローに生まれ変わったのだ! 」


「い、市松人形だぞ? 」


 <三本首>が動揺して呟いた。


「それがどうしたっ! お前は悪の組織だろうがっ! 」


「お、おう」


 <老公>人形師が見るからに動揺していた。


「俺は貴様に貰った、この市松人形の力で貴様を倒すっ! 」


 俺がピッと市松人形でポージングした。


「テケレテケレテテレッテレー」


 横でドジョウ掬い人形に入った野崎君がドンピシャのタイミングで仮〇ライダーのテーマ曲を口でやってくれた。


 流石だ、野崎君っ!


「こんな、俺みたいな奴がヒーローだなんてっ! 」


 俺の感激の涙が止まらない。


 何の幸せも無かった、ただただ生きているだけの人生が三鈴(みすず)さんと会った事でヒーローになるなんて……人生ってわからない……。


「俺は三鈴(みすず)さんを守るよっ」


 市松人形の俺がキラリと歯を光らせて話す。


「おーい、お前の孫が何か言ってるぞ? 」


「ど、どうしたぁ? 」


 <老公>人形師と<三本首>が祖母を見るが、祖母は固まったままだった。


「ここは一旦引きましょう」


「ああ、分かった。<おやっさん>! 」


 俺の市松人形が歯を光らせて答えると、ドジョウ掬い人形に入った野崎君と一緒にててててててと走ってその場を去った。


 後に固まったままの<老公>人形師と<三本首>と祖母を残して。

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