1部 終わり
「やはりだ。やはりそうだ。君の言葉にあらゆるモノが感応している。君はそう言う血筋のものなのだ」
闇の修験者さんが興奮して話す。
「いや、俺はやっと来た恋愛を邪魔するなと言う言葉を叫んだだけですが」
「そうだ。それは今回集合無意識に伝わって、たくさんのそう言う思いを持つものを集めて凄まじい力を呼んだ。君はそうやって神々に作られた人物なのだ」
「はあ? 」
いきなりの眉唾話でドン引く。
「いいかい、一人の人間は普通に一つの氏神に仕えるものだ。だが、お前は違う。お前の家は賀茂神だけではない。転々といろんな神様を先祖が祭ってきた事で、稲荷神、八幡神、出雲神とたくさんの神の加護を得ている。だからこそ、その言葉はいろんなものに届く。そして、その力を行使できるのが君なのだ」
闇の修験者はそう笑った。
豆野さんが横であちゃー言っちゃったって顔をしていた。
「ど、どゆ事? 」
「お前は呼ぶ力を持っている。それはまつろわぬもの達へも効くのだ。お前は兵器にすらなれるのだ」
そう闇の修験者が熱く語る。
「……いや、でも三鈴さんはちゃんと俺を見てた。俺の事を愛してくれていた。照れ屋さんだから、すぐに真っ赤になって去ってしまうけど、そんな俺を道具にするような奴とは違っていた! 」
俺がそう断言した。
「いや、私の話を聞いてる? 」
闇の修験者が動揺していた。
だが、それどころではない。
「俺は、俺は、そんな照れ屋さんだけど優しい三鈴さんが大好きなんだ! 」
俺が絶叫した。
野崎君が横で拍手した。
豆野さんがふらりとよろめくと、その場で倒れた。
「ちょっと、豆野さん? 」
「何してんですかっ? 」
運転手の男と助手席の男がショックを受けて倒れている豆野さんのとこに向かった。
そして、それと同時に破局が来た。
「きゃぁぁああぁあぁあぁあぁぁあ! 」
「こ、この叫び声は三鈴さんっ! まさか聞いていたのかっ? 」
そして、巨大な破局が始まった。
揺るがす大地はプレートすら動かした。
西日本大地震が起きたのだ。
震度7クラスの大地震だった。




