続き4
その日はしょうがないので、布団一つのスペースで寝た。
隣の三好さんは会っていて、旦那の俺は三鈴さんの写真だけで本人には白い手しか会っていない。
何だか釈然としいない。
だが、冷静に考えれば、冥婚なのだし会っている方がおかしいのか……。
などと一人でうじうじと考えていた。
そしたら、階段の足音がする。
コツンコツンコツンと……。
それが最初は同じアパートの人かと思ったら、各部屋を一つ一つ回って、しばらくドアの前で待って、その後に次の部屋に向かう感じだ。
「三鈴さんじゃ無いよね……」
そう呟きながら上半身を起こした。
三鈴さんだともっと軽快な足音だし。
この足音は革靴のような感じだ。
枕もとの目覚ましを見ると午前0時を過ぎていた。
誰なんだろう。
そう思いつつも隣の隣りの部屋、そして隣の部屋、そして俺の部屋の前に来た。
そうしたら、足音がしなくなった。
まだ、もう一つ俺の部屋の隣があるんだが……。
そう思いながら、どう動くか静かにして放置していた。
だが、そのまま数分経っても動き出さなかった。
「あれ? 三鈴さんかな? 」
流石に心配になって、俺が思い切ってドアを開けてみた。
そしたら、誰もいないのだが……。
中空にお面が浮いていた。
能面だ。
後で調べたら童子と言う能面らしい。
「見つけた」
「見つけた」
「お前を見つけた」
三回その能面の童子は喋った。
それと同時にその能面を中心に妙な風が吹き出した。
「えええええ? 」
俺がドン引きしてたら、部屋の中から巨大な真っ黒い犬みたいなものが現れて、その能面の童子をかみ砕いた。
そして、また俺の部屋に戻って行った。
「犬? 」
俺が自分の部屋に戻るが何もいない。
「ど、どこから一体……」
俺が部屋を探しまくるがとうとう何も見つからなかった。
何だったのだろう。