表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/315

続き37

 そういう訳で、今回も土御門家のお陰であっさりと警察の捜査は終わった。


 どちらかと言うと上の階にいたはずの俺がホテルの倒壊で何故か生きてて瓦礫の一番上にいたのが奇跡と言われた。


 普通は崩れたがれきの下になってしまうはずだし、まあ、誰がそうした警察も分かってるんだろうが言わなかった。


 幸いに死者はいなかったようで、そういう意味では良かったのだろうが。


 今回の件で警察も懲りたみたいで、土御門家の家の前で俺は降ろされた。


 土御門家の前に会った着物の女中頭の水尾さんが迎えてくれた。


「お疲れ様です」


 何が起こったのか知ってるらしくて、そう水尾さんに苦笑された。


 すでに夜明けを迎えて外は明るかった。


「主がお待ちです」


 そう水尾さんに言われた。


「いや、どうしましょうか。頭だけ下げて、そろそろ仕事に行かないとまずいんですが」


 俺が腕時計を見て朝の六時なのを確認して聞いた。


 ここは結構会社から距離があるので早めに出ないとまずい。


「本当に腹が座ってらっしゃるのですね。普通はあんなことが続けてあればげっそりしてそれどころで無いでしょうに」


 水尾さんが苦笑した。


 こないだは杓子定規な感じで難しい人かと思ったらそうでも無いようだ。


「いや、仕事は仕事ですから。それに、三鈴(みすず)さんにやっと会えたんで嬉しくて元気いっぱいですよ。あんな綺麗な人と冥婚とは言え結婚できるとは本当に嬉しいです」


 俺が嬉しそうにそう答えた。


 そしたら、土御門家の屋敷が揺れた。


「あれ? 」


三鈴(みすず)様が聞き耳立ててたんでしょうね」


 水尾さんがクスクス笑った。


 なるほど、言われた通り、足音がバタバタとした。


「そんなに恥ずかしがらなくても良いのに」


 俺がちょっと困ったように呟いた。


「まあまあ、それだけ愛してらっしゃるんですよ」


 そう水尾さんが言うと一際土御門家の屋敷が揺れた。


「あの? 」


「大丈夫です。耐震に関しては最高の技術で出来てますから」


 俺が少し心配になって聞いたら水尾さんが笑って、そう答えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ