続き33
「まあいい。終わる国とはそう言うものなのかもしれんな」
大御門大地さんだった黒い靄が初めて嬉しそうに笑った。
それは黒い渦を大きく作りだした。
ホテルが激しく揺れ出した。
ポルターガイストがさらに酷くなったらしい。
「三鈴は来ないようだが、お前がどうも奴の大切な人物なのは分かった。悪いが命は断たせてもらう」
大御門大地さんだった黒い靄が俺をそう睨んだ。
「やれやれ、この孫を殺そうと言うなら我らも戦わねばなるまい」
俺の祖母がそう俺の前に立った。
「ふははは、まだ神あがりして間もない貴様が俺の前に立つだと? 」
大御門大地さんだった黒い靄が祖母をあざ笑った。
大御門大地さんだった黒い靄の前に巨大な黒い渦が出来て、それが回転すると俺の方に向かって来ようとした。
そしたら、祖母の背後から鳥の足が出て来てその黒い渦を掴むと握りつぶした。
「何? 孔雀明王だと? 馬鹿な、まだ目覚めてはいないはず! 」
大御門大地さんだった黒い靄がいきなり狼狽える。
「ふふふふ、本体はね」
そう祖母が笑った。
「ねえ知ってる? あくまで念なんだから、そう見せるのは簡単なんだよ? 」
目の前にショートカットの美少女が現れてそう話す。
「ああああああああああ! な、何故、ここにっ! 」
大御門大地さんだった黒い靄が孔雀の足が出て来たより動揺していた。
「な、なんで、あの子がここにっ! 」
祖母も動揺している。
女子高生のようだが、身体が小柄なせいか女子中学生のように見えた。
三鈴さんは写真立てで見る限りは長髪の美少女で綺麗系だったが、こちらは凄く可愛い感じの美少女だった。
下手したら、アイドルクラスを軽く超えているかもしれない。
「ななななな、何をしにここにっ! 」
大御門大地さんだった黒い靄が激しく動揺を続けていた。
「まさか、西の三鈴さんに対して東の豆野と言われる御方が来るとは」
野崎君が大げさに騒ぐので嫌な予感がした。
仕事が忙しくてすいません。




