続き9
その再生された三鈴さんはかって戦った時の姿なので十歳前後の幼い姿だった。
加茂は触手で静かに、それを土御門家の護衛艦に布を被せて移動させた。
「こ、これは……」
土御門治秋が震えてそれを見た。
「身体を再生したのか。かって戦った時の奪った細胞を持っていたと言う事だな」
矜羯羅が呻いた。
「嘘……」
三鈴さんがその身体を見て呻いた。
「その身体を使って生き返れと言いたいのじゃな」
そう巫女神が三鈴に優しく微笑んだ。
「<黄泉の王>が崩壊していく。流石、加茂だ。見込んだとおりだった」
そうぬらりひょんが感心して頷いた。
「いや、奴はどうなるのだ」
<三日月>がそう呻いた。
「崩壊を選ぶであろう。あれはそう言う漢だ」
ぬらりひょんがそう力強く頷いたので鵺が蹴とばした。
「こんな馬鹿な話はあり得ないでしょうに」
鵺さんが怒っている。
「一か八か、私が迎えに行きます」
そう小さい俺と鵺が顔を見合わせると加茂に向かっていく。
そして、それと同時に加茂の怪物の自壊が始まった。
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「良く考えたら、俺は自壊するしか方法が無いじゃん」
そう俺は頭を抱えていた。
さっきまで興奮状態であまり気にしてなかったが、冷静に考えると三鈴さんが復活すると言うのに、何でだ?
これって、単にババ引いただけなのでは。
そう思いつつも、実際に<黄泉の王>に話した通り、俺の怪物のコントロールも不可能になる寸前だった。
自分と共に自壊させる事しか方法が無かった。
だが、それでもコアは残る。
それはミサイルで自爆するしかない。
そして、そこで気が付いた。
原潜の原子炉も電源として持ってるし、原潜の核ミサイルも持ったままだ。
しかも、対地ミサイルは全部手持ちは使っちゃっていた。




