続き3
加茂の叫びが地響きのように土御門家にも伝わる。
土御門家の本陣は海上の自衛隊との合同の艦船に会った。
「どういう事? 旦那様は後方で保護してたんじゃ無いの? 」
三鈴が絶叫した。
「どうも、襲撃を受けて囮になると飛び出したらしい」
土御門家の当主の土御門治秋がそれを聞いて苦々しく呻いた。
「まずいです。すでに日本の自衛隊もアメリカもコントロールが彼の能力に奪われてます」
「全ての艦船がデータリンクの疑似データに操られています。アメリカの方も核ミサイルだけは不使用にすべく動いてますが……」
「なまじ、演習で英仏豪の艦船が居たのがさらに危険を増大させてます」
「データ異常で全ての兵器が使えません」
「とんだ、怪物では無いか! 」
矜羯羅と呼ばれる土御門家の要の八大童子の一人がそれを聞いて絶句した。
「こ奴が、あの<呼ぶもの>に特殊な相手の力をコピーする力があるのに気が付いて洗脳してやがったらしい」
そう<三日月>が天空よりぬらりひょんを引きずって降りてきた。
小さい俺とが乗っている鵺も一緒だ。
「ぬ、ぬらりひょん? 」
土御門治秋が絶句した。
「あの野崎とか言う奴の振りをずっとしていたらしい。野崎とやらは死んで最初からいなかった様だ。最初に三鈴を加茂の正義感を使って接触させて、わざと<黄泉の王>と戦わせて奴の能力を奪って、奴を倒す道具に仕立て上げてたんだと」
<三日月>が吐き捨てた。
「仕方があるまい。<黄泉の王>に勝てるのはあの加茂の小僧だけだったのだから」
「それ以上の怪物を産み出してどうするっ! 」
矜羯羅がぬらりひょんに叫んだ。




