続き5
「何だか、匿ってる場所から逃げ出したとか聞いたが、何をやってんだ? 」
「いや、三鈴さんを守る為に参加しようと思って……。最初はそのつもりも無かったんだけど、逃げてるうちにそうせざるを得なくなったと言いますか……」
そう俺が山刀で頭をパクッと割って刺さったまま話す。
「いや、良く生きてるな……」
「元は人形ですし」
「いや、再生するじゃん」
そう言いながら<三日月>さんが山刀を引き抜いたら真っ二つに割れていた頭はすぐに戻った。
「延々と妖を吸収し続けているんですよね。<黄泉の王>の形質らしいんですが……」
そう、俺が少し寂しそうに聞いた。
「無機物を集めて新しい生命体として生きれるんじゃなかったのか? 」
「いや、それもできますけど」
「……<黄泉の王>より上じゃ無いか? 」
<三日月>さんが呆れたような顔をした。
「いや、それは分かりませんが……」
「で、何がしたいんだ」
「いや、実は、どうも俺は<黄泉の王>に関係してるみたいだから、相手に取り込まれて一か八か<黄泉の王>と殺し合いをするか、相手の力を止めてやろうと思いまして……。そして、私の本体らしい、そこの小さい俺に一緒に殺してもらおうと思ってるのですが」
「いやいや、死んでどうするよ」
「そのくらいしか、三鈴さんに報いる事が出来ない」
そう涙か血かわかんないものを流しながら答えた。
「……いや、おれが本体かどうかは分かんないし。思い詰め好きじゃないですか? 」
小さい俺が横で話す。
だが、俺には<黄泉の王>の記憶もあった。
そして、ウィンディーネの言葉も。
悲しいがそれが現実なのだろうと。




