続き3
「とにかく、このままでは双方の攻撃が貴方に行くぞ? 」
鵺さんが俺にそう注意してくれた。
とはいえ、時はすでに遅しか。
正直、珍しい鵺さんと一緒に居るせいか余計に目立つらしくて、双方から攻撃が来る。
「一旦、隠れましょうよ」
そう小さい俺が言ってくれたが、身体の肉がもりもりと勝手に大きくなっていく。
吸収が止まらない。
あああああああああああああああああああああああああああああああ!
行き当たりばったり過ぎた。
良く考えてすれば良かったぁぁぁ!
「どうしょう。もう洞窟にも入れないし」
俺が自分の膨れ上がった身体と出て来た洞窟の穴を見て茫然とする。
「どうしたら? 」
小さい俺が鵺さんに聞くと、鵺さんが静かに首を振った。
「ふふふふふふふふふ、やっと追いつきましたぞ」
そう、変な木で出来た人形がカチカチと現れたから、小さい俺がドン引きして見てた。
「おおお、<おやっさん>」
俺はもはや、藁でも縋る気持ちになっていた。
「ふふふふふ、簡単です。押して駄目なら引いてみろ。この反対ですよ。引いて駄目なら足してみろ。このまま、さらに合体して、サンドワームの力を奪い土を掘って潜るんです」
「えええええええ? 」
「いやいや、それはどうなのかな? 」
小さい俺と鵺さんはあからさまに引いていた。
だが、俺はそれを正しいと思ってしまった。
「それしか無いかっ! 」
俺が怪物の顔で爽やかに笑った。
「それですよ! 」
<おやっさん>の野崎君がそう人形の親指を立てた。
小さい俺と鵺さんは瞳孔を開いた目で茫然として見ていたが。




