表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
287/315

続き10

「<おやっさん>、生きていたのか? 」


「いや、死んでますが」


「むう。間違いない。<おやっさん>だ」


 俺がそう唸る。


 だって、黒子の姿はすでに剥げ落ちて、ボロボロの木の人形の部分がむき出しになり、あちこちに歯形と爪痕がついてワカメを天女の衣のようにかぶっていた。


 だが、このノリは間違いない。


「ふふふふふ、まさか。ドジョウ男に変わっているとは、流石は我がヒーローだ」


 そう<おやっさん>の野崎君が笑った。


「あああ、やっぱりドジョウの姿に見えるのね」


 俺が顔を覆って悲嘆にくれた。


 やはりどじょうか?


 ドジョウなのかと。


「ど、どうして、そんな姿に? 」


 ヤタガラスさんがやっと言葉を絞り出した。


「いや、カリブュデスに食われて、ヒュドラの血と混ざったら、いつの間にかドジョウ男に」


 そう俺が悲しい顔で呟いた。


「で、ウィンディーネに飛び掛かるとは……。なるほどここで一発ウィンディーネと合体して、起死回生の一発で美しいモンスターの姿に変わりたい。そういう事ですね」


「流石、<おやっさん>だ。俺の気持ちが分かるとはっ! 」


 俺が<おやっさん>の分析に感動して答えた。


「ええ? 」


 それを聞いたウィンディーネさんが見た事も無い汚物を見る様な表情で俺を見た。


「まさかのウィンディーネからの御褒美」


 <おやっさん>の感心が止まらない。 


「だが、捕まえられないんだ。混ざれないんだよ」


 そうドジョウ男の俺が呟いた。


「ふふふふ、お任せください。私が黒子の前は何の人形だったか覚えてますか? 」


「はっ! ドジョウ掬いの人形だった! 」


 俺が<おやっさん>の野崎君の一言で衝撃を受けた。


「ふふふふ、伏線回収と言う事です」


「「伏線だったのかっ! 」」


 あまりの展開に俺とヤタガラスさんが同時に叫んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ