続き5
ヒュドラさんは堅く口を閉じて開けてくれない。
「なぜっ? 」
俺がそう叫んだ。
「いや、仲間を食べてどうする? 」
そうヒュドラさんが真顔だ。
「いや、その……実は俺は土御門家のものなんですよ」
そう俺が告白した。
「ふははははははは! 」
「いやいや、ありえない」
「それは無いわっ! 」
一斉にヒュドラさんの9本の頭が笑った。
無茶苦茶、笑って居なさる。
「いやいや、こんな姿なんですけど、本当なんです。俺は土御門家の重要人物で……」
と俺が説明したものの、さらに哄笑が沸き起こった。
おかしい。
絶対におかしい。
「もういいです」
あまりに爆笑するのでむかついて来た。
俺が口を開けさせるために、手のひらを向けて水の刃が出来るのを祈った。
それによって、ヒュドラの口に凄まじい水の刃がスクリューのようにぶち当たる。
だが、役者が違ったのか、それすら口を開けさせる要素にならなかった。
だが、ヒュドラの頭の一つの表面が水の刃で切り刻まれて、血が噴き出していた。
あまり深い傷では無いが、それでヒュドラが激怒した。
口はあけてくれたものの、口から発射された水の渦のような攻撃で入るどころでは無い。
「何と言う事だ。一口俺を食べて貰うだけでいいのに」
俺がそう愚痴りながら逃げ回る。
そのうちにヒュドラのブチ切れ攻撃は執拗に俺を狙って来た。
その結果、俺の鱗にも血が滲み怪我をいくつもしていた。
「人形なのに血が出るとか……」
そう、俺が呻きながら呟いた。
このままではギンポ男のまま終わってしまう。
そう思ったら、いつの間にか今まで想像もしなかったレベルで水の刃がまわりを舞いだした。
俺はそれを全てヒュドラに叩き込んだ。




