続き4
「俺は最強モンスターになる」
そう俺は思って、ヒュドラに向かって泳いだ。
勿論、ヒュドラと合体するためだ。
あの時は食べられたから、合体出来たのだ。
同じことをしたらいい。
俺はヒュドラに果敢に泳いで向かって行った。
そして、ヒュドラの身体にタッチして殴る。
ヒュドラを怒らせて食べさせるためだ。
だが、ヒュドラは怒らなかった。
「何でぇぇぇ? 」
俺が叫んだ。
「何だ? 何か用か? 」
そうヒュドラの一本の首が聞いて来た。
「いや、殴ったんですが? 」
「それで? 」
やばい、会話にならない。
超スーパーヘビーのヒュドラとギンポ男では勝負にならないのか?
「いや、お腹がすいてませんか? 」
「別に? 」
「食べてみませんか? 」
「何を? 」
そう聞かれたので、俺が自分を指差した。
「まずそう」
「まずそうだぞ」
「何で食べられたいんだ? 」
一斉にヒュドラ達にそう話しかけられた。
まずそうと言う一言は酷く俺を傷つけた。
「いやいや、ギンポはね。本当は美味しい魚なんですよ? 」
俺が必死に食い下がる。
「何で、ギンポ? 」
非常に理性的な反応が戻って来た。
いくら何でも、それは無いわって話だ。
「いや、見た目ですよ」
「妖だろうに。何故、ギンポだと? 」
「くっ! 」
言い合いですら負けてしまった。
これがギンポに見えてないようだし、せつない。
「それならばっ! 」
俺が必死になって、ヒュドラの首の一つに抱き着いて、口の方に向かう。
もう意地になっていた。
美味しく俺を食べていただきたい。
それだけだった。
ヒュドラも流石にドン引きしていたが。




