続き2
「ど、どういう事だ? 」
俺が暗闇の中で手を見た。
妙に壁を触っている時の感覚がおかしかったので、気になってはいたのだが、確かに手の感覚もおかしい。
触ってみると、手が木と布では無くなっていた。
「ど、どういう事? 」
身体を触ると明らかに人形では無い。
おかしい。
何かおかしい。
そう思いつつも洞窟を壁を触りながら進む。
明らかに身体に異変が起きていた。
徐々に身体が変化しているのが分かる。
しかも、暗闇が暗闇で無くなっている。
真っ暗なのに見えるようになって来ていた。
「こ、これは一体……」
俺が動揺しながら進むと、百メートル四方の広いところに出た。
そこは泉のように水が出ていて、そこに巨大な9本首のヒュドラが居た。
多分、ゲームで見た事がある姿なのでヒュドラだろう。
そのヒュドラがこちらをじろりと見たが、攻撃する気配が無い。
それで気になって、泉の水面に顔を映し出してみた。
そこには真っ赤なウツボみたいな顔をした俺が居た。
「こ、これはっ! カリブュデス? 」
思わず、叫んでしまった。
いやいや、ねぇわ。
って言うか、食べられてくっついたのか?
どういう事だ?
俺が動揺しまくる。
だが、ヒュドラはちらっと見てるだけだ。
「まさか、同じ仲間のモンスターだと思っているのか? 」
俺が震えながらそう呟いた。
どうやらマジでそうらしい。
食べられたせいなのか良く分からないが俺とカリブュデスは合体した。
というか俺が吸収したのが正しいのかもしれない。
何しろ、カリブュデスの思考は感じない。
「<黄泉の王>とかも妖を吸収して合体するって言ってたな」
そう俺が途方に暮れた顔で呟いた。




