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続き7

 そうして、とうとう激しい戦いが始まった。


 クラーケンも群れだった。


 特に、背後に信じがたいでかいのが居る。


 それの指示かもしれないが、ヤタガラスさんに運ばれている俺を必死に触手を伸ばして捕まえに来る。


 それをさらにグリフォンが炎を吐いて焼き散らしながら搔い潜って、俺達を再度掴もうとしていた。


「何と言う事だ……匂いが香ばしい」


「屋台の匂いですね」


 そう俺と<おやっさん>の野崎君が感動した。


 何故か、目が見えるように臭覚もあるので香ばしい香りが立ち昇っているのが分かる。


「醬油ダレでもあればたまらないかもしれませんね」


 そうグリフォン五頭とクラーケン数十体の激しい戦いを見てのんきに<おやっさん>の野崎君が話す。


「いやいや、暢気なのは良いけど、こちらは限界なんですけど! 」


 ヤタガラスさんがふうふうと叫ぶ。


「いやいや、モテモテですよ」


 気にもせずに、<おやっさん>の野崎君が笑った。


「いや、こういうモテ方はしたくないんだけどね」


 そう俺が呆れて突っ込んだ。


 その時、海の遥か向こうからモーターボートが走ってきている。


「あれは? 」


「土御門家の出してるモーターボートじゃないですかね? 」


 そう俺達が色めきだった。

 

 助かるかもとそう思ったのだ。


 その瞬間にヤタガラスさんがガクリと深く下に沈んだ。


「ああ」


 悲しそうなため息が漏れた。


「重すぎたようですね」


 そう<おやっさん>の野崎君の呟きが最後だった。


 クラーケンの触手が俺を捕らえた。


「いやんっ! 」


 俺と言うか俺の着物を取られたので、服が脱げた。


 そうして、俺は海に落ちていった。


 

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