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続き3

 どちらにしろ、結果として、ここから逃げないとどうしょうも無いと言う事だ。


 幸いグリフォンは海の中で活動するとか聞いた事が無い。


 無いはずなんだけど、何でもありの世界になって来たから、すごく怖いのだけど。


「とにかく、このまま連れていかれるのは不味いのだけは確かだ」


「まあ、<黄泉の王>とやらに連れてかれて飲み込まれるだけかもしれませんしね」


「どうするか? 」


 俺がヤタガラスさんとそう悩む。


「問題は、この爪をどう剥すかなんだよな」


 俺ががっちりと俺をホールドしている爪を見て愚痴る。


「ノコギリならありますよ」


 などと、<おやっさん>の野崎君が剣鉈のようなノコギリを出した。


「いやいや、ドローンから今度はいきなりノコギリかよ。それも人力で引く奴じゃん」


「いやいや、海に落ちるかもって時に電動ノコなんて持ってこれませんよ」


 そう<おやっさん>の野崎君が笑った。


「いやいや、準備良いですね。まるでこうなるのが分かってたみたいじゃないですか」


 そうヤタガラスさんが嘴だけでなく頭まで影から出してじとって感じで<おやっさん>の野崎君を見た。


「いやいや、あらゆる準備を完璧にこなした結果ですよ。もしも攫われるとして、何か強力な爪とかに掴まれたとしても、金属を斬るのを専用としているノコギリなら切れますから」


 全然気にせず、<おやっさん>の野崎君が笑った。


「攫われる前提なんだ」


 俺がそうドン引きした。


「とにかく急ぎましょう。向こうに近くなれば激戦の最中で逃げるのも一苦労です。本当は市松人形を切ってばらして逃げると言う方法もあるんですよ。それを後で瞬間接着剤で止めると言う」


「いやいや、海に落ちるのにバラバラに流れるだけだろう? 」


「そうなんですよね」


 そう<おやっさん>の野崎君が出した瞬間接着剤を悲しそうに仕舞った。


 バラバラにする気だったようだ。


 困ったもんである。

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