続き2
海上をグリフォン数頭と一緒に俺を掴んだままのグリフォンが飛ぶ。
このままだと向こうについてしまう。
「<おやっさん>、向こうにつくまでまだかかるのかな? 」
「このスピードなら後5時間くらいじゃないですかね? 」
「え? そんなに遠いの? 」
「ええ、離島ですから」
そう<おやっさん>の野崎君が笑う。
「待て待て、この間のドローンでは行けないじゃん」
とても航続距離が持つ範囲で無いので俺が驚いた。
「だから、海に落ちる計算をしていたのです」
「馬鹿なの? 」
「いや、信じられない、大雑把な計画ですね」
俺と影から出ているヤタガラスさんの嘴が呆れ果てたように<おやっさん>の野崎君に突っ込んだ。
「いやいや、このくらいは正義の味方の許容範囲でしょ」
「大和男児なら、このくらいなんでも無いとか騒いで無茶苦茶やった挙句、自決しないといけないのかなと周りに聞いて、『我々の立場としては、貴方に死んではいけませんしか言えないので、黙ってやってください』とまで言われて自決死ななかったどっかの指揮官並みの計画だと思うけど」
「いや、それは無いですよ。私は後方でのんびりと命令してただけでは無くて、自分が最前線で戦ってますし」
「いや、なら、もう少し考えれんかったのかな? 土御門家も船とかで行ってるならそれに潜り込むとか、いろいろあんじゃないの? 中西君にお金はあるんだから漁船を借りても良かったし」
「正義の味方がそんなみっともない敵への向かい方ってありますか? 」
「命がいくらあっても足りないよ」
「もう、私は死んでますし……」
「最悪だ」
俺がいろいろと苦言を呈したが<おやっさん>の野崎君には通じなかった。




