表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
268/315

第15部 <攫われる>

 飛びながら、いらないと思われたのか別のグリフォンに何度か爪で捕まって千切られそうになるのを、俺が捕まっている爪を掴んで動きながら<おやっさん>の野崎君が逃げ続けていた。


 急いで連れてくるように言われているのか、<おやっさん>の野崎君の排除だけに時間は取れないと見て、少しガツガツと<おやっさん>の野崎君を突くと諦めて仕方なしに飛ぶを繰り返していた。


「本気で私はいらないんですね」


 <おやっさん>の野崎君がフーフー言いながら愚痴る。


「俺も連れてかれたら、どうなるんだろう? 」


「まさかと思うけど、吸収されたりすんですかね? <黄泉の王>とやらに」


 俺の言葉にヤタガラスさんが嘴だけ影から出して器用に話す。


「それは困ったな」


「こっちも大困りですよ。貴方が本体なんですから。貴方が居なくなってしまう」


「いや、私は心配されてないんですね」


 俺とヤタガラスさんの懸念に<おやっさん>の野崎君が悲しそうだ。


「悪いですけど、逃げなきゃ何とかなったし。そもそも何で連れ出したんですか? いろいろな意味で彼を連れ去られたら一番の大問題って分かってるじゃないですか」


「いや、囮として皆を助けれるかと……」


「重要度の順番を間違えてますよね。今はどう考えても加茂さんの安全が第一でしょうに。実際、戦力になるのは分かってたけど、わざわざ戦場に出さずに護衛をつけてあそこに置いて来たんですよ? 」


 ヤタガラスさんの責め方がキツイ。


 やはり、俺が向こうに行くのは良くないのか。


 だが、自分としては、何故同一と呼ばれたか知りたい。


 もう一人の小さい俺も気になる。


「結局、行かざるを得なかったのかもしれない」


 そう俺が呟いたら、<おやっさん>の野崎君は喜んで、ヤタガラスさんはドン引きしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ