第14部 終わり
「人間の声を真似れるんだ」
そう中西君が震えた。
「良くある手ではあるな」
「とりあえず、ここで潜んでるしか無いですね」
そう俺達が渋々と呟いているととうとう壁が破壊された。
そこから、グリフォンの足の爪が伸びて来て、俺を捕まえようとしたのでとっさに金庫を盾に逃げた。
そうしたら、金庫が掴まれて、外に持ってかれた。
「あああああああああああああ! 」
中西君が絶叫して金庫に飛びついたが、金庫と一緒にいらなかったのか外でぽいと捨てられた。
「ふふふふふふ、これで彼も仲間入りだ」
<おやっさん>の野崎君が暗い表情で微笑んでいた。
怖っ!
その瞬間に俺がとうとう掴まれた。
驚くことにバキバキに破壊されるかと思ったら、凄いソフトに掴んでいる。
本当に殺す気が無いようだ。
「うーん。参ったな」
俺が言いながらマンションから引っ張り出されて外に出た。
「待ってください。一応、私はそばにいないとっ! 」
そう言って<おやっさん>の野崎君が俺が捕まっている爪にしがみついて、黒子の本体と繋がっているチェーンのロックを俺につけて離れれないようにした。
「グエェェェエ! 」
それがグリフォンさんが気に入らなかったのか、マンションの壁に一回振り回してぶつけて、<おやっさん>の野崎君を破壊しようとしたが、別のグリフォンに制止されて辞めた。
「本当に貴方しかいらないんですね」
<おやっさん>の野崎君が震えていた。
ヤタガラスさんは捕まった瞬間に俺の影に隠れた。
「いやいや、やっぱり捕まるよな」
そう苦笑したら、マンションの外の木に中西君が引っかかってるのが見えた。
「何だ、死ななかったのか」
そう<おやっさん>の野崎君が残念そうに呟いた。
恐ろしや。
そうして、俺達はグリフォンに攫われた。




