続き4
「また、こういうパターンか? 」
そう俺が呆れた。
「いやいや、こういうパターンって初めてじゃないですかっ! 」
<おやっさん>の野崎君がキレて言い返す。
「そうだっけ? 」
「どちらかってーと、貴方の暴走のが多いかったでしょうがっ! 」
「君もすぐ逃げるもんね」
「ああっ! なんてことを! 危険が来れば撤退するのは当たり前じゃないですかっ! 」
「あの……聞いてて空しいんで、とにかく、この状況を何とかしましょう」
俺と<おやっさん>の野崎君が言い合いしていたら、ヤタガラスさんが冷やかに告げた。
「いや、もう窓は無理じゃね? 」
中西君が茫然とした感じで呟いた。
窓はすでに真っ黒い赤に染まっていた。
微妙な臭気も漂っている。
フクロウの人間の顔の奴のキチガイのような突撃でべったりと血濡れていた。
それなのに、窓や壁への突撃が終わっていないようだ。
「死ぬのが怖くないのかね? 」
俺がそう呟いた。
「死ぬより怖いものから強制的に我々を殺すように命令されてるんじゃないですかね? 」
ヤタガラスさんがシビアに呟いた。
「何が何でも、俺を殺すように言われてるのか。憎しみは何も産まないのに」
「いや、貴方がそんな事、よく言いますね」
「本当だ。よくもまあ言うなぁ」
「信じられんし」
俺の呟きを<おやっさん>の野崎君や中西君が言うのならともかく、ヤタガラスさんまでそう言うのが信じられない。
いやいや、評価ひど過ぎだろ。
などと騒いでいるうちにさらに激しい攻撃と言うか体当たりが続く。
どうも、窓だけではなく、今度はマンションの壁を中心に攻撃しているようだ。
「何か、異様な攻撃だな」
そう中西君が呻いた。
死を恐れずに攻撃しているとは言うものの、まるで無駄死にのように見える。




