続き1
「ふふふふ、気が付きましたか」
「いや、馬鹿なの? 」
俺が<おやっさん>の野崎君に突っ込んだ。
寄りにもよって俺達のドローンはあの中西君のマンションに向かっていた。
「秘密兵器があるんですよ」
そう<おやっさん>の野崎君が笑った。
だが、それに反して、たまたま窓を開けてこちらに気が付いた中西君が必死になって帰れ帰れと手で追い払うしぐさをしていた。
「おい、秘密兵器があるのに歓迎されてないけど」
「おかしいですね。こないだと話が違うなぁ」
「馬鹿なの? 」
俺がたまらずに突っ込んだ。
「おかしいな。こないだは開発にかかると言ってたのに」
「開発にかかったばかりで出来てるわけないだろっ! 」
「いや、中西君は優秀ですから」
「出来てるなら、あんなに慌てないと思いますがね」
そうヤタガラスさんも冷静に突っ込んだ。
「どうすんだ、こちらは敵に囲まれ出してるような雰囲気だが」
俺がそう<おやっさん>の野崎君に突っ込んだ。
「仕方ありませんね。こうなったら、巻き込みましょう」
そう<おやっさん>の野崎君はドローンをコントロールして、そのまま中西君の部屋に飛び込んだ。
はっきり言ってドローンがでかいから、窓枠にぶつかったのだが、俺と<おやっさん>の野崎君につけているロックを外して人形だけで飛び込んだ。
「いや、来ないでって言ったじゃん! 」
中西君が半狂乱になって叫ぶ。
「いや、呼んでるのかと思った」
「以下同文」
<おやっさん>の野崎君と俺が冷静にそう答えた。
「嘘つけよっ! とにかく窓を閉めるからっ! 」
騒ぎながら中西君が窓を閉めた。
その時に気が付いたのだが、ドローンがぶつかって、もう少し窓枠が曲がっているかと思ったら、全然大丈夫だった。
「これは? 」
「こないだ巻き込まれた時に頼んだら、土御門家が防弾と特別なものに変えてくれたの! 」
中西君が頭を掻きむしりながら叫んだ。
なるほど、それで頑丈なんだとしみじみ納得した。




